採用面接では、候補者が事前に
「模範回答」を用意することが
できない質問をどれだけできるか
が成否を左右します。
この連載では、候補者が深く
考えていないと答えられない
質問例を挙げていき、実際に
面接で使うための方法、注意点を
お伝えします。
第十四回は
「あなたと私でシェアできると思うこと」
です。
【この質問の意図】
候補者が、面接を受けながら
面接官のことを、ひいては
入社することになるかもしれない
会社のことを、きっちりと観察して
判断しようとしているかどうかを
確かめるための質問です。
面接は、候補者を採用する側である
企業が、一方的に良し悪しを判断する
場所ではありません。
候補者側も、この会社が、自分の
生活や人生を託すに足るもの
なのかどうかを判断する場所です。
端的に言えば、目の前にいる面接官が
「一緒に働いていける人か」
「信頼するに足る人物か」
を判断する場所なのです。
【回答のどこを見るか】
候補者の答えが、大まかではあっても
大きく的をはずしていなければ
それで問題ありません。
許してはならないのは
「よくわかりません」
という回答です。
初めて会った人のことを、たかだか
30分や1時間話しただけで判断
できるわけもないので、無理も
ないとスルーしてはいけません。
この会社でいいか?
この人と一緒に働けるか?
しっかり見極めよう、判断しよう
として観察しているならば、
たとえ短い時間であってもキーと
なる情報を掴み、それをもとに
判断を下すことはできるからです。
間違っている可能性もありますし、
偏見や思い込みによることも
あるでしょう。
しかし、判断をすることそのものが
重要なのです。
【効果】
入社早々、トラブルを起こし
早期退職してしまうような
事態を避けることができます。
面接ではそんなに悪い感じじゃ
なかったし、面接官のことは
よくわからないけど、有名な会社だし
給料も悪くないし、内定もらえたから
入社しようかな、という程度の
「意識の低い」人材を採用しなくて
済みます。
早期退職に至る理由は
「思っていたのと違った」
ということが多いですが、
もっと端的に言うと
「一緒に働く人や会社の
文化が合わなかった」と
いうことでしょう。
一緒に働く人と価値観を共有できない、
会社の理念に共感できない、
こんな状態では長続きするはずも
ありません。