採用面接でよく行われていることの
なかにも、実はやってはいけない
「タブー」がある。
採用される側として面接300回、
採用する側で1000人以上を面接した
「ハイブリッド」な視点から
お伝えしていきます。
第5回は
「退職歴を悪とみなす」
です。
過去の遺物的な考え
「転職回数が3回までじゃないと面接しない」
「1回退職した人間は2回3回と繰り返すんだ」
「最低でも3年は頑張れる人じゃないと」
人事部のマネージャーとして採用を担当
していた時に、人を採用する必要がある
部署のマネージャーから、これらの
「苦言」をよくいただきました。
確かにそうかもしれません。
しかし、それのどこがいけないのでしょうか?
採用の目的は
「成果をあげる優秀な人を採用すること」
であるはずです。
転職回数が多いことと、成果をあげる
優秀な人であることに相関関係はありません。
もっと自分を活かせる場所、評価して
くれる場所を求めて、上を目指して
積極的に動いている証拠かもしれない。
一説には、組織に所属してはいるが
仕事がなく飼い殺し状態になっている
「組織内失業者」が数百万人いると
言われています。
転職しようにも力がなく、仕方なしに
組織にとどまっている人も多いなか、
転職を繰り返している人は、自分から
職場を変えることができる力がある、
という見方もできる。
転職回数はプラス評価対象に
もちろん、トラブルメーカーであったり
なにか問題を起こしたりする人物なの
かもしれません。
その組織にはいづらくなって転職
している可能性もあります。
しかし、面接をする前から
「退職歴は悪だ」
「退職するほうに責任がある」
と決めてかかっている面接官は多い。
退職理由について執拗に質問し、
納得できる答えでなければ
マイナス評価をする面接官が
ほとんどなのかもしれない。
しかし、退職するに至った事情は
本人にしかわからないことが
あるのも事実。
多くの場合、なにかよほどの
我慢ならないこと、腹に据えかねる
ことがあったから転職する。
外からはうかがい知れない事情が
あるのが普通です。
その点は察してあげることが
必要ですし、退職はあくまでも
過去のこと。
採用は未来の話をする場所です。
あまり過去にばかりこだわり、
ほじくり返すのは辞めましょう。