採用面接でよく行われていることの
なかにも、実はやってはいけない
「タブー」がある。
採用される側として面接300回、
採用する側で1000人以上を面接した
「ハイブリッド」な視点から
お伝えしていきます。
第9回は
「適性検査結果を先に見る」
です。
適性検査の精度は高い
採用活動に、もはや適性検査は欠かせなく
なっていると言っていいでしょう。
それぐらい、精度は高くなっている。
私の経験でも、実際に面接をしてみて
抱いた印象と、適性検査の結果とが
「かなり似通っている」と感じたことは
一度や二度ではありません。
今後、心理学や人工知能の発達によって
適性検査はさらなる精度の向上も
期待されます。
AIによる書類選考や面接もすでに
一部企業では実施されています。
人間が判断するよりも適性検査などに
よって判断するほうが正確である
という日も来るかもしれません。
実際、適性検査ならぬ「不適性検査」
なるものもあり、すぐに辞める、
成果を出すことができない、
職場に馴染めないなど、問題を
起こしそうだと思われる人物を
採用しないようにするテストもある。
こうなれば、もう採用活動ではなく
不採用を前提とした活動である。
究極のバイアス
このように精度が高い適性検査ですが、
面接の前に結果を見るのは強く
オススメしません。
「これから面接する人はこういう人です」
という情報を入れてから面接に臨むと、
それに合致する情報を採用し、合致
しない情報は捨ててしまう、という
ことを無意識に行ってしまいます。
例えばこんなふうに。
「適性検査では積極的でチャレンジ精神が
旺盛な人物だと出ていたのに、そんな風には
感じられないな。わが社に対する志望度が低く、
なおざりに面接を受けているのではないか?」
実際には、ただ緊張しているだけで
面接にも慣れていないだけのこと
だったとしても
「積極的でチャレンジ精神旺盛」だという
適性検査結果が頭にあることで、マイナス
評価につながってしまう。
先入観に左右され、見た目に惑わされ、
事実ではなく自分の経験から判断する
のが人間です。
そのうえ、あらかじめ候補者に関する
「人物評」を与えられた状態では、
適切な判断をすることは期待できません。
適性検査を面接前に見ることで候補者に
貼られてしまうレッテルは、そう簡単には
はがれないのです。
適性検査は、必ず、面接をして評価を
下した後に、参考として見ることを
強くお勧めします。