候補者は良くも悪くも面接官を見て
その企業を判断します。
面接官が担っている責任は重大です。
面接官は企業の価値観、文化を映す鏡。
この連載では、面接官に持っておいて
欲しい「心得」を書いていきます。
第6回は
「組織のことが好き」
です。
辞め時が誰よりもわかる
採用担当が組織のことを熱く
語れなくなったときは、辞め時が
来たということを意味します。
自分が所属している組織のビジョンや
価値観を、情熱的に候補者に説明
できないようだと、採用担当は
務まらないからです。
良くも悪くも、採用担当は組織を
映す鏡です。候補者にとって、
最初に接触する「内部の人間」です。
誰が、採用担当からして組織に
愛想をつかしているように見える
ところで働きたいと思うでしょうか?
思うわけがありません。
採用担当は、候補者に
「この組織で働きたい」と思って
もらうことが仕事です。
それができないのなら、採用担当で
いるべきではないのです。
そういう意味では、候補者と向き合って
組織の説明をする機会があるたびに、
自分の、組織に対する愛情を確認
することになるのが、採用担当者の
宿命であると言えます。
「情熱的に話せなくなったな」と
感じ始めたら、もはや組織に対して
愛を持っていない証拠です。
プロの採用担当者ほど早く辞める
候補者に「ここで働きたい!」
と感じてもらうどころか、
「ちょっとやめておいたほうが
いいんじゃないか?」と感じさせて
しまう採用担当者ほど、組織に対して
迷惑をかける存在はない。
今の時代は採用難の時代。人の採用に
困っていない組織のほうが少ない。
とはいえ、あなたの組織が採用に
困っているとしたら、それは組織の
魅力がないからでも、求人広告が
まずいからでもなく、採用担当者に
原因があるのかもしれません。
プロ意識を持った採用担当なら、
自分のせいで候補者が逃げてしまって
いるのではないかと気付いたら、
辞めることを考えるでしょう。
仕事を全うできなくなった
自分を許してはおけないからです。
しかし、あくまで自分のせいだとは
考えず、組織そのもの、求人広告、
果ては社会情勢や採用市場のせいに
してやり過ごしている採用担当が
いたとしたら・・・
これほど、お互いにとって不幸な
ことはありません。