面接官の心得 Vol.7「今後も関係は続くと考える」


候補者は良くも悪くも面接官を見て

その企業を判断します。

面接官が担っている責任は重大です。

 

面接官は企業の価値観、文化を映す鏡。

 

この連載では、面接官に持っておいて

欲しい「心得」を書いていきます。

 

第7回は

「今後も関係は続くと考える」

です。

 

ご縁がなかった?

 

採用面接が終わって、不採用になった

候補者には不採用通知を送りますが、

それが「お祈りメール」「お祈りレター」

と呼ばれ、候補者から非常に評判が悪い

ということをご存知でしょうか?

 

「慎重に検討を重ねましたが」という

文言から始まり、「今回はご縁がなかった」

という言葉で不採用を伝え、最後に

「今後の貴殿の益々の活躍をお祈り

申し上げます」という結びをするから

お祈りメール、レターという名前が

ついています。

 

候補者から特に評判が悪く問題視

すべきなのは「ご縁がなかった」

という部分です。

 

不採用になった理由はあるはずなのに

それには一切触れることなく、

「ご縁がなかった」という一方的な

判断、解釈を押し付けてくる。

これが「上から目線」に感じられ、

とにかく不愉快極まりない。

 

「今回は」と書いてはありますが、

候補者の側からすれば「金輪際」

ご縁などないという風に言われて

いるも同じです。

 

わざわざ時間とお金と労力を使って

採用面接に臨んだ相手に、どこが

悪かったのか、何が基準に満たなかった

のかというフィードバックを一切

することなく、まるで不必要になった

ものを切り捨てるかのような対応が、

好意的に受け止められるはずがない。

 

候補者からすれば、もう二度と

関わりたくないと思うのも当然です。

 

「今回は」ではなく、「もう二度と」

縁はないと心に決めてしまうのも

当然のことです。

 

違う立場で会うことがある

 

採用候補者として会った人との

関係は、社員になったかならなかったか

という狭い見識で判断すべきことでは

ありません。

 

社員として採用できなかったとしても、

もしかしたら取引先の担当者として

目の前に現れるかもしれません。

 

今の時代は、組織に所属しないで

働くフリーランスが増えていますから、

採用しなかった人とも個人事業主として

仕事を発注する対象として関わることに

なるかもしれない。

 

採用担当者が視野に入れるべきは、

出会った採用候補者との関係を

社員になるかどうかという枠組み

だけで考えないことです。

 

長期的視点に立ち、およそ関わる

ことになったすべての人との

関係を保つ努力をすること。

それこそが、これからの人事・採用担当に

求められる資質ではないでしょうか。

 


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