超買い手市場になろうとも
超売り手市場になろうとも、
「ブレない」採用活動にする
ために、企業が大切にしてほしい
キーコンセプトをご提案します。
第5回は
「卒業が前提」
です。
アイドルグループ
人気アイドルがグループからの
「卒業」を発表すると、多くの
ファンが残念がりながらも、
次のステップへ向けた前向きな
行動として評価し、応援し、
エールを送り、気持ちよく送り出す。
アイドルグループに見られるこの光景、
これからは組織と働く人との関係にも
多く見られるようになります。
組織のことが嫌で不満があるから退職
するのではなく、やりたいことや永年の
夢のために、次のステップに進むための
「卒業」が主流になります。
ですから、退職した社員はかつて
所属していた組織のことを伏せる
のではなく、「元・AKB48」のように
「〇〇株式会社出身」という肩書を
堂々と使うことになります。
そして組織の評価は、いかに
元社員が他の場所、ステージで
活躍しているかによって左右される
ようになります。
こうなると、まるで大学や専門学校の
ように、優秀な人材を組織内だけ
ではなくどれだけ組織外にも
提供しているかが評価対象になります。
長く働く人がそんなに
欲しいですか?
採用面接では「長く続きそうもない人」
は敬遠される傾向があります。
私も転職面接を受けていて
「当社は長く働いてくれる方を
求めています」と言われたことが
何度もあります。
私は何度も転職していましたから、
その時点で「長く働いてくれる人」に
該当するとはなかなか判断できない
人間だったと思います。
その点について確信が持てるかどうかに
気がいっているようで、成果を出せる
人間かどうかという、もっと重要なことを
見過ごしはしないかと心配になったくらいです。
退職することなく長くとどまってくれ、
多少の不満があっても退職などしない
「我慢強い」「ストレス耐性がある」
人を採用することに注力する採用活動は
これからはあまり意味がない。
副業、フリーランス、多様な働き方が
これだけ浸透しようとしているなかで、
1つの組織だけに留まり、依存して
働くという選択肢を取る人だけを狙う
のはムリがある。
方向性が間違っています。
組織の側も、いずれ社員は「卒業」して
いくことを前提として採用し、育成し、
そして送り出すという考え方に
シフトチェンジする必要があるのです。
人材を確保するとか、抱え込むとか、
離職防止だとかに苦心することよりも、
いかに人材を活用するのかに注力する
ことのほうが重要なはずです。
良いのでしょうか?
辞めずに働いてくれるが、何の実績も
あげず、ただそこにいるだけの人でも。