人材難の時代、今まで通りの、
他所の会社と右へ倣えの採用活動を
していたのでは、優秀な人材を獲得
できる見込みは低い。
そこでこの連載では、常識ではありえない
ような採用活動をご提案し、人材難に
あえぐ企業が「一発逆転」するヒント
を提供することを目指します。
第7回は
「社内ツアーをする」
です。
早期退職は甚大な被害
新しく採用された人が早期退職して
しまうことほど、組織にとって、
そして採用担当者にとっても
手痛いことはありません。
中途採用の場合であっても、半年~1年
での早期退職ということになれば、
採用した人が「成果を上げる前に」
退職したことになる場合が多い。
ですから、採用にかけた時間とお金、
払った給与も、受け入れのために
費やした時間も、ほとんどが回収できず
無駄になってしまったというほかは
ありません。
しかも、その人がしていた仕事に穴が
開いてしまうことになるので、また
早急に採用しなければならなくなる。
何も良いことはありません。
このような早期退職が起こる理由は、
「組織に馴染めなかった」場合が
ほとんどです。
ではなぜ、組織に馴染めなかったの
でしょうか?
入社前は張り切っていた人が、半年や
1年足らずで輝きも意欲も失い、まるで
逃げるように組織を去っていく。
それを防ぐ方法はないのでしょうか?
組織の雰囲気の確認
新しく採用された人が組織に馴染めず
早期退職への道を歩み始めるーーー
それは「入社初日に」起こっています。
もっと言えば、自分が働く部署や
オフィスに一歩足を踏み入れた瞬間に
感じる「組織の雰囲気」によってです。
採用担当者や直属の上司になる人とは
採用面接で会っているので問題は
ないでしょうが、同僚や他の部署の
他人とは入社初日に初めて会います。
そして、実際に働き始めたら、
同僚や他部署の人間との接触のほうが、
採用担当や直属の上司よりも多い。
もしその人たちとの初対面で感じる
「第一印象」が悪かったら?
多くの転職経験者は、組織に馴染めず
周囲の人間関係が悪化して退職に
至っていることがほとんどです。
新しい環境ではそんなことにならない
ように気を配ろうとしています。
入社初日にその思いが打ち砕かれる。
せっかく組織を変わったのに、なんとなく
フィーリングが合わないな、という人と
また一緒に仕事をしていかないといけない
と悟った時、すでに遅かれ早かれ退職への
カウントダウンが始まっている。
これを防ぐには、もし採用になったら
一緒に働くことになる同僚や他部署の
人間との「面通し」をするべく、
社内をツアーしてもらうことです。
百聞は一見に如かず。
実際に組織内を見てもらうことが
なによりの解決法ではないでしょうか。