言われてからするのは「三流」
言われる前にするのも、まだ
「二流」の仕事でしかない。
では「一流」の仕事とは?
この連載では
「一流の仕事とはなにか」と
ともに、
一流の仕事ができる人材を採用
するための方法について考えます。
第一回は
「気遣いができるか?」
です。
何気ないこと
一流の人材は、一見するとなんでも
ないこと、多くの人が見過ごして
しまいがちなことにも気を配って
いるものです。
たとえば、書類のホッチキス止め。
もし両面印刷をしている書類の束が
あった場合、何も考えず通常通り、
左上の一か所をホッチキス止め
したらどうなりますか?
ページをめくったときに裏面が
いちいち書類をひっくり返さないと
いけなくなって、資料が非常に
読みにくくなる。
この場合は、左を上下二か所ホッチキス
止めするのが正解だと思います。
そうしてしておくだけで、資料の
みやすさが格段に違ってきます。
両面印刷していない場合でも、
止める位置が深すぎて、ページを
めくると資料の一部が隠れてしまって
いる場合もある。
そんなに大きなことではないのかも
しれない。資料が多少みにくかったと
しても、問題にはならないでしょう。
しかし、そうであるからこそ違いには
気づきにくいし、改めてそのことを
指摘してくれる人も少ない。
自分で気づくしかないことなのです。
気遣いができるかどうかはこういう
小さなことに現れるのです。
そして、こういう小さなことに
注目し必ず見ている人がいる
ものです。
採用現場では
面接官として、こういう小さな
ことに注目できることは非常に
重要です。
提出する書類や面接での
受け答えは、言ってしまえば
なんとでもごまかしはききます。
書類選考を通りやすい書類の
作り方はありますし、無難で
前向きな姿勢を装うことができる
面接での模範回答もある。
しかし、そんな「作られた」書類
「演じられた」面接回答では、
一流の人材を装うことは不可能。
すくなくとも、一流の人材である
面接官相手では何の意味もない。
必ず見られています。何気ない言葉遣い、
行動に現れる「気づかい」を。
それは、本人ですら気付いていない
無意識の行動です。だから、修正も
ごまかしもきかない。
それを観察し、判断することができるか?
面接官として一流になるには、その能力を
培うことが必要です。