言われてからするのは「三流」
言われる前にするのも、まだ
「二流」の仕事でしかない。
では「一流」の仕事とは?
この連載では
「一流の仕事とはなにか」と
ともに、
一流の仕事ができる人材を採用
するための方法について考えます。
第四回は
「誠実か?」
です。
学ぶことができない資質
誠実さという資質は、決して学ぶことが
できない資質であり、誠実な人材を
採用することが一流の人材を採用する
ための唯一の方法です。
著書「マネジメント」で有名な
ピーター・ドラッカーの言葉に
「成果をあげるための能力は
修得することができるが、
真摯さは学ぶことができない」
とある通りです。
真摯さは誠実さということですが、
これは生まれつきのもので、後から
学び修得することはできない。
俗なことを言えば
「性根は叩き直すことができない」
ということです。
誠実さの欠如は許されない
同じくドラッカーはこうも言っています。
「真摯さはごまかしがきかない。
一緒に働けば、その者が真摯であるか
どうかは数週間でわかる」
「部下たちは、無能、無知、頼りなさ、
無作法など、 ほとんどのことは許す。
しかし、真摯さの欠如だけは許さない」
いくらとびぬけたスキルや実績を持って
いる場合であっても、真摯さが欠如している
人と働くことは多くの人が拒否します。
さきほどの言葉には最後の結びが
あります。
「そして、そのような者を選ぶ
マネジメントを許さない」
もし、組織が真摯でない人を採用する
という失態を犯せば、そのことは既存の
社員には決して許されない。
そのような者を採用する組織を信頼
しなくなり、やる気を失い、
やがては組織を去っていくでしょう。
真摯さ=誠実さを重視しない採用は、
組織を破壊することにつながる
極めて危険な行為だということです。
採用担当としての、ここが腕の
見せどころです。しかし、そう
簡単ではありません。
採用活動中の候補者との接触のなかで、
見た目の印象や、その場しのぎの
ごまかしには騙されず、その人が
誠実かどうかを判定する手段と
目を持たなければならない。
一朝一夕では修得できないことで
あるのは間違いない。
しかし、それは「修得できない」
という真摯さ=誠実さではない
というだけ、救いがあります。
訓練すれば修得が可能なのですから。