言われてからするのは「三流」
言われる前にするのも、まだ
「二流」の仕事でしかない。
では「一流」の仕事とは?
この連載では
「一流の仕事とはなにか」と
ともに、
一流の仕事ができる人材を採用
するための方法について考えます。
第六回は
「座標を持っているか?」
です。
こだわりがある
一流の人材は、自分に課している
「守るべきルール」を持っています。
座右の銘という名前であったり
信念という名前であったりしますが、
同じことです。
それは、誰が何と言おうと曲げること
のないルールです。
これを曲げた瞬間に自分が自分で
なくなるかのようなルールです。
いわば、これを守れなくなったら
よって立つ座標を失い、あとは
あてもなく彷徨うことになるだけ。
生ける屍になると言ってもいい。
そういうたぐいのものです。
はたから見れば頑固としか映らない
態度であるかもしれません。
破り、変えたからといって、だれに
咎められることもないでしょう。
しかし、自分が見ている。
自分だけのこだわりである。
だから、守る。
そこにこそ価値があるのです。
筋が通っている
こういう考えで生きている人は
一本筋が通っています。
大学時代に専攻を変えていたり、
ファッションが変わっていたり、
今まで何度も転職をしていたり。
一見すると脈絡のないことを
しているようでも、底流には
その人なりに守っている、
揺るぎないルールに則った
行動なのです。
中途採用面接の現場では、何度も転職
している人を嫌う面接官が一定数いる。
そんな履歴書を一瞥しただけで
「不採用」の烙印を押してしまう人です。
意外とこういう人は多いのですが、それは
間違った態度であると言えます。
転職を繰り返している人は、なにも
好きで何度も転職しているわけでは
ありません。
たまたまめぐり合わせが悪く、自分の
こだわり・ルールを曲げることを
強いられるような場面に遭遇することに
なったために、転職をする機会が多く
なっただけであることがほとんどです。
もちろん、こらえ性がない、性格に
問題がある、勤務態度が悪いなど、
本人に責任があるために転職を
余儀なくされた場合との区別には
気をつけなくてはなりません。
しかし、あるこだわり・ルールを
持っている一流の人材であるかも
しれないものを、単なる履歴書の
「見た目」だけで判断してしまう
愚を犯すことは、なんとしても
避けるなければなりません。
そのためには、見た目には
ごまかされたくないという
確固たる決意、こだわり・ルールを
自分に課すことからスタートして
いくことです。