「読書習慣を持っているか」
このことに注意を払うことが
「優秀な人材」を採用するための
最も確実で、最も価値ある方法
だということをお伝えするシリーズ。
第2回は
「薄っぺらさ」
です。
本を読んでいなかった時期
私は読書好きですが、過去には
まったく本を読まなかった時期が
あります。
その時期は、ちょうど失業していた
時期と重なっており、職探しのために
日々、面接を受けていました。
しかし、まったく上手くいかない。
受ける企業、受ける企業で不採用に
なる日々が続きました。
その間、何も対策を講じなかった
わけではありません。考えました。
笑顔が足りなかったのか?
身だしなみがなってなかった?
提出した書類が悪かった?
思いつくことは改善しようと
試み、実行もしましたが、
それでもうまくいかなかった。
挙句の果てには、今まで面接で
された質問を思い返し、それに
対して淀みなく答えられるよう
「模範解答」を考えました。
それでも、結果は変わりません。
むしろ逆効果でした。
なぜなら「模範解答」を用意して
いない質問をされたときに、
ボロが出やすくなったからです。
万策尽きた・・・
そう思ったとき、どこからともなく
「本を読んでみよう」という
気持ちになりました。
自分は今、全く本を読んでいない。
この状況を変えてみれば、なにかが
変わるかもしれない。
インスピレーションといえば
大げさかもしれませんが、
なにか確信めいたものがありました。
結果、むさぼるように本を読み始めて
1カ月もたたないうちに、見事
内定を得ることができたのです。
蓄積された厚み
偶然かもしれないと当時は思い
ましたが、面接官として面接する
立場になって、その理由がわかりました。
それは、読書をする人としない人
とでは、話の内容の「厚み」が
まったく違うということです。
どんな質問に対してでも、自分の中に
蓄積されたものの中から適切なものを
選び、取り出してみせることができる。
そういう意味での「厚み」を読書する
ことで得ているため、結果として、
回答にも重みがあるのです。
本を読まない人話は、その蓄積が
なく、底が浅く、結果として
発する言葉が軽いものになって
しまうのです。
その蓄積は、蓄積し続けないと
底のほうから「陳腐化」して
腐って朽ちてしまうので、
使えなくなってしまうのです。
底のほうにあるので、上から見ると
陳腐化したことにしばらくは
気づかないで過ごせてしまう。
底が抜けて初めて気づきます。
その時にはもう遅いのですが・・・