人事、採用、総務、経理などの
いわゆる管理部門は、売上や
利益をあげるわけではありません。
しかし、間接的に売り上げや
利益に貢献することはできます。
それができないのなら、存在意義が
ないと言ってもいい。
そのためには、人事、採用を
どうしていけばいいのか、何が
必要なのかについての連載です。
第6回は
「人事を救え」
です。
根本治療が必要
企業において人材より大切な
ものはありません。
なにはなくても人材がいなくては、
企業は立ち行きません。
人材難、採用難の時代を迎えて
いる今、そのことを「改めて」
実感している企業、経営者も
多いのではないかと思います。
しかし、それだけでは不十分です。
人材を大切にするつもりなら、
まずは人事担当者を真っ先に
大切にするべきなのです。
これなくしては、人を大切にする
という方針は絵に描いた餅。
掛け声倒れ、企画倒れになるのは
目に見えています。
なぜなら、人事担当者はすでに
手一杯の状態で、とてもじゃ
ないが新しい取り組みのために
動ける状態にはない。
しかも、そのことは社内で認識
されていないことが多いのです。
人事部の手を空けてあげること
なくして、根本治療はなしえない。
追いまくられる
人材を大切にし、優秀な人材を求めて
採用活動を強化しようとしても、
人事担当者にはそのための余力は
ありません。
次から次へと、どの部署が担当すべき
仕事なのかわからないから回って
きただけの、いってしまえば
「どうでもいい」仕事に振り回されて
いるからです。
さらに、だれがやっても結果が
同じで、普段はだれからも気に
留められることのない定型業務、
いわゆるルーティンワークも
多く抱えています。
給与計算や社会保険事務が
その代表格です。
この状態から人事を救い、解放して
あげることが、いまこそ急務です。
そうして人事部を「業務渋滞」から
解放してあげること。
具体的には、人事部の仕事を
アウトソースできる部分は
外に出すことが考えられます。
給与計算や社会保険事務などの
ルーティンワークを代行してくれる
会社はたくさんあります。
そのために人を1人雇うよりも
はるかに安い金額でやってくれます。
そうすれば人事部は本来の仕事を
することができるようになります。
それがひいては、優秀な人材を採用し、
社員の能力を引き出すための人事制度や
福利厚生を実行することにつながります。
間接的にではありますが、売上に貢献する
ことができる人事部に生まれ変わること
でしょう。
人事部を、社内で行き場のない仕事の
「掃き溜め」にすることなく、
成果を出すことができない定型業務に
押し込めるのをやめること。
それこそが「売上貢献人事部」の
誕生への近道です。