「採用する側」として1,000人以上の
面接経験を持ち、「採用される側」でも
300社以上の面接を受けている
「ハイブリッド型」の豊富な経験から
学んだ「伸びる人材の法則」を
お届けします。
第1回は
「なにはなくとも『真摯さ』」
です。
性根は直らない
選考過程では、候補者は多かれ
少なかれ猫をかぶっています。
提出される履歴書・職務経歴書に
始まり、面接日時調整などのための
電話やメールのやり取りも、意識して
丁寧なものにしているに違いありません。
本番の面接はもちろん言うに
及びません。
ここではあらゆる手を使って、まるで
ゲームをクリアするための攻略法を
練るかの如く、事前に考えたウソ、
誇張、隠ぺいを駆使した回答をする。
このことは当たり前のことだと
考えるべきです。
方向性の問題
面接の目的は何でしょう?
候補者の何を見ようとして
いるのでしょうか?
募集しているポジションに適した
スキルや経験をもっているか
どうかを確かめるため?
なにか問題のある人物でないか
どうかを見極めるため?
候補者が「長く働いてくれそうか」
を確認するため?
いずれも間違った方向性です。
これらを確かめるためには、
候補者に投げかける質問によって
明らかにするしかありませんが、
たいていの質問は候補者に事前に
予想されています。
候補者が初めての転職でないの
なら、なおさらです。
過去に同じ質問をされた経験を
多く持っていることが予想され
るからです。
候補者の本心や本性、本当の実力や
スキル、はてはウソや誇張を
見抜くための質問を考えることは
並たいていのことではありません。
それよりも、もっと本質的なことに
目を向けるほうが良い。
事前にストーリーを練り上げておけば
取るに足らない人物でも「優秀そうに」
見えてしまうものです。
質問に対する回答はいくらでも
「お化粧」ができます。
しかし、素顔は変えられないのです。
それが「真摯さ」です。誠実さと
言い換えてもいい。
質問に対する答えがどうであるかと
いうことにはそれほど意味はなく、
それが本心であるのか?
質問に対して誠実に答えようと
しているだろうか?
のほうに注目するべきです。
真摯さ、誠実さがあれば、多少
仕事をする上でのスキルや経験が
劣っていても、あとからいくらでも
教えて鍛えることはできます。
しかし、真摯さ、誠実さはもって
うまれたもので、あとから教えたり
鍛えたりすることはできません。
真摯さ、誠実さは肌で感じ取るもの。
理屈ではありません。もしあなたが
「なにか違和感があるな・・・」
と感じたら、その人物は真摯さ、
誠実さに欠ける人物でしょう。
そんな人物は採用しないことです。
多くの災いが待っている。