「採用する側」として1,000人以上の
面接経験を持ち、「採用される側」でも
300社以上の面接を受けている
「ハイブリッド型」の豊富な経験から
学んだ「伸びる人材の法則」を
お届けします。
第5回は
「礼儀をわきまえている」
です。
作法は学べるが、礼儀は学べない
礼儀作法のうち、作法は学び意識すれば
だれでも身に着け、実行することが
できます。
しかし、礼儀のほうは学び意識するだけ
では、実行することはできません。
それは、誰に対しても敬意を持つ
ことができるかどうかにかかって
いるからです。
人をバカにし、軽視し、尊敬の念を
抱くことができない人間は、どんなに
作法を尽くしたとしても、心の奥を
見抜かれてしまう。
例えば採用面接でも、最低限
おさえておくべき作法はあります。
ノックしてから入るとか、促される
までは椅子に座ってはいけないとか、
退出する際のこと、敬語をきちんと
使うことができるかどうか。
しかしこれらは、言ってしまえば
「テクニック」に過ぎない。
知っているかどうか、または充分に
練習しているかどうかによって
出来不出来は出てくるでしょうが、
この点で大きく差がついてしまう
ことはあまりありません。
よほどのことがない限りマイナス点が
つくことはなく、及第点を取るように
しさえすればいいものです。
知ってて当然のことであり、常識
だから、知らないことに対する
マイナス点しかつきません。
謙虚さの欠如
礼儀をまきわえていないことは
つまり、謙虚さが決定的に欠けて
いるということです。
言い換えれば、周囲の人間や、日々
起こる出来事から謙虚に学ぼうという
姿勢に欠けているということです。
注意を払わず、興味もなくただ
ボーっとして過ごしているだけ。
なにも学ばない。
さらに、もうひとつ重大な損を
することになります。
それは
「人から多くを学べなくなること」
です。
人は、人から多くを学びます。
しかし、礼儀をわきまえていないこと
によって、多くの人から遠ざけられ、
嫌われてしまえばどうなるでしょう?
だれも嫌いな人に何かを教えて
あげよう、協力してあげようとは
思わない。
貴重な学びの機会を失っている
ことになります。
結果として、礼儀をわきまえていない
ことによって学びの機会を失い、
伸びることができない人材の
「一丁上がり!」になるのです。