採用面接では、候補者が事前に
「模範回答」を用意することが
できない質問をどれだけできるか
が成否を左右します。
この連載では、候補者が深く
考えていないと答えられない
質問例を挙げていき、実際に
面接で使うための方法、注意点を
お伝えします。
第十五回は
「お金をもらわなくてもやりたいこと」
です。
【この質問の意図】
候補者が本当にやりたい仕事を
確かめます。
お金のために働くのであり、
仕事の内容はどうでもよく、
少しでも給与が高いところが
望みの人は、この質問には
答えられません。
そして、お金のために働く人は
もっといい条件の会社がみつかれば
そっちに簡単に流れます。
早期退職につながります。
【回答のどこを見るか】
実際には無給で働くことなど
ありえませんが、そんな仮定の
質問でも淀みなく、あなたの目を
見て、具体的に答えているか
どうかを見ます。
7/16の「日経MJ」に掲載されていた
人材サービス大手エン・ジャパンの
調査によると、
「給与が低い」という理由での
転職が全体の四割に達すると
いうデータがあります。
しかし、注目すべきは
その次に多いと思われる
「やりがい・達成感を感じない」
「企業の将来性に疑問を感じた」
のほうだと思います。
給与だけでは、人をつなぎとめる
ことができないのは明白でしょう。
だからこそ、あなたの会社が、
候補者が答えた仕事を提供することが
できないとしたら、すぐにそのことを
伝えることが真摯な態度です。
それがお互いのためです。
【効果】
お金に執着する候補者を除外できます。
少し考えれば、そんな意図などないと
いうことは容易にわかるはずですが、
この質問は、もしかしたら
「必要ならサービス残業をするか?」
という意味にとられるかもしれません。
しかし、そんな解釈をする候補者は
そもそもお金だけが目的です。
仕事を「どれだけ時間を使ったか」
ということでしか捉えていない
時間給のアルバイト感覚でしか
考えられない人です。
給与はかけた時間に対してではなく、
「成果に対して」支払われている
ということが理解できていない。
そんな人は、大した成果をあげて
いないにも関わらず、かけた時間に
比して給料が少ないという不満を
募らせ、勝手な批判をして周囲に
害悪をまき散らします。
きっと、前職の会社は、転職して
くれてラッキーと思っている
ことでしょう。
そんな害悪を、あなたの会社がお金を
払って引き受ける必要などありません。
一刻も早くお引き取りいただきましょう。