採用面接では、候補者が事前に
「模範回答」を用意することが
できない質問をどれだけできるか
が成否を左右します。
この連載では、候補者が深く
考えていないと答えられない
質問例を挙げていき、実際に
面接で使うための方法、注意点を
お伝えします。
第十七回は
「気になる他人の欠点は?」
です。
【この質問の意図】
候補者が人を好き嫌いで判断する
ときに、どこを見ているかを
確認します。
好き嫌いの判断は根源的なもので、
生まれもったものであるために
そう簡単には変えることはできません。
そして、生まれついたものでなかったと
しても、今までの経験から
「こういうことをする人は信用できない」
「こんなやつとは仕事ができない」
という価値判断が形成されたのです。
候補者の根本的な性格や「人となり」
価値観を判断するには適した要素です。
【回答のどこを見るか】
人には必ず好き嫌いがあり、
その基準も必ずあります。
「欠点は気になりません。
長所だけを見ますから」
という回答は許してはいけません。
面接はお互いがお互いに求める
「条件」を確認するためのものです。
考えていることを隠して、内定という
ゴールを目指すゲームではありません。
採用する側は「成果をあげてもらう」
働く側は「気持ちよく働ける」
こういうWin-Winの状態を、
ゴールとして目指すものです。
「こんなマイナスのことを言ったら
評価が悪くなるのではないか」
などという心配は無用です。
合わないものは合わないのです。
【効果】
もしすでにいるチームメンバーで
候補者が挙げた欠点を持っている
メンバーがいれば、うまく協力し
一緒に働いていく上で障害になる
かもしれません。そのことが、
事前にある程度予想ができます。
仕事はチームで行っていくものです。
メンバー同士の緊密な協力と
コミュニケーションが欠かせません。
友達になるのではなく、仕事上のこと
だと割り切ったとしても、好き嫌いを
超えて一緒に仕事をしていくのは
かなり至難の業でしょう。
大きな会社であれば部署異動すること
によって、好き嫌いの問題を解決する
ことはできるでしょうが、小さな会社
だとそうもいきません。
好き嫌いの問題は、思っている以上に
深刻な問題なので、事前にそのことを
回避するのは重要なことです。