採用面接では、候補者が事前に
「模範回答」を用意することが
できない質問をどれだけできるか
が成否を左右します。
この連載では、候補者が深く
考えていないと答えられない
質問例を挙げていき、実際に
面接で使うための方法、注意点を
お伝えします。
第十九回は
「あなたが最も答えにくい質問は?」
です。
【この質問の意図】
自分の弱点を自覚しているか
どうかを見ます。
普通に
「あなたの弱みは?」
と質問しても、あらかじめ用意された
模範解答的な答えが返ってくるだけです。
この質問がされることは事前に予測
できるからです。
仕事の成果は強みによって達成
されるものです。弱みでは何も
できないので、弱みを自覚している
ことは非常に重要なことなのです。
【回答のどこを見るか】
候補者が答えた「されたら困る」
質問を、実際にぶつけます。
本当に「されたら困る」質問を
正直に答えたのかどうかは、
実際にその質問をしてみた
その回答で判断するしかない
からです。
その回答が、かなりマイナスに
なるようなことなのかどうかは
重要ではありません。
正直に答えたということ
そのものが重要です。
弱みは隠すものではありません。
自覚した上で、その弱みを使わ
なければならない仕事を、
「しないようにする」ことが
より重要だからです。
【効果】
弱みという「谷」があれば、その分
強みという「山」もあることが
予想できます。
弱みも強みもない平凡な人よりは、
強みもあるがその分だけ弱みも
ある人のほうが、仕事ができます。
「ソツなくこなす」つまり、何を
やらせてもそれなりにできる人は
いるものですが、そんな人が
卓越した仕事をすることは少ない。
どれもソコソコの成績であると
いうことは、学生時代の学力テスト
では「平均点を上回る」ことや
「赤点を取らない」という意味で
重要なことです。
しかし、社会人の仕事には平均点や
赤点はありません。
「出来たかできなかったか」という
二つだけです。
仕事をソツなくこなすことも重要ですが、
それは「その他大勢」の仕事であり、
誰がやっても同じ仕事でもある。
卓越した仕事は、何か一つのことに
強みもあり同時に弱みもある
「デコボコ」の人間によって達成
されるものです。