この連載は、採用面接の前に
候補者がやっている面接対策への
「対策」をして、あらかじめ用意
しているであろう「想定問答集」を
使い物にならなくなるようにする
方法について書いていきます。
第2回の「面接対策破り」のテーマは
「強み弱み」
です。
自分ではわからない
自分で自分のことを理解できて
いる人は少ないものです。
なぜなら、他人のことを客観的に
細かく観察することはそれほど
困難ではありませんが、自分の
ことを客観的に観察するのは
非常に困難なことだからです。
そんな、自分でもよくわかっていない
「強みや弱み」について、「自分では
どう思っているか」を質問することに
意味があるとは思えません。
それどころか、面接で
「あなたの強みは?」
もしくは
「あなたの弱みは?」
とだけ質問したとしても、自分に
都合のいい「強みや弱み」に
ついての回答がされるだけです。
しかもその回答は、事前に用意された
模範解答でしかなく、あなたはそれに
踊らされることになります。
つまり、これまでに候補者が
あげてきた実績や獲得してきた
スキルに関連するわけではない、
候補者が都合よく、勝手に思い込んで
いるだけの「強みや弱み」に過ぎない、
ということです。
実績の裏付けを
強み弱みについて「個人的見解」を
質問することは、面接官であるあなたが
候補者のことを正しく判断するための
妨げになります。
回答された「強みや弱み」について、
「検証するための根拠」と一緒に示して
もらうのでないのなら、それは
「口ではなんとでも言える」という
こと以上の意味はないのです。
本人が自分の強みや弱みに
ついて「どう思っているか」という
個人的見解を確認するだけの質問なら、
そんなもの必要ありません。必要なのは、
その強みや弱みによってどんな実績をあげ、
結果が出ているのかという「事実確認」が
できるための質問であることなのです。
もし強みや弱みについての質問をするなら、
「あなたのその強みや弱みが、これまでの
実績やスキルとどのように関係している
でしょうか?」という形であるべきです。
きちんとした裏付けのある「強み」
であり、きちんとした原因のある
「弱み」を確認することが何よりも
重要です。