この連載は、採用面接の前に
候補者がやっている面接対策への
「対策」をして、あらかじめ用意
しているであろう「想定問答集」を
使い物にならなくなるようにする
方法について書いていきます。
第5回の「面接対策破り」のテーマは
「尊敬する人は」
です。
両親以外で
この質問をするなら、まずは
「両親以外で」答えてもらう
ことが必須です。
私も両親のことは尊敬しています。
それは当たり前すぎることで、
だれにでも回答が可能だからです。
加えて、もし実際には両親のことを
尊敬しているわけではなく、単なる
その場の思い付きでそう答えたのだと
しても、面接官としてはそのことを
追求することは難しいでしょう。
本当にご両親のことを尊敬して
いますか?
そんな質問をするわけにもいかない。
だまって話を聞くしかないからです。
そもそもなぜ「尊敬する人」を
質問するのでしょうか?
それは、その人の考え方や
価値観を知るためのはず。
血を分けていて育てられたの
ですから、両親と考え方や
価値観が同じか似ているのは
当たり前のことです。
簡単に言えば、参考にならない。
両親以外の「尊敬する人」を
質問することは必須です。
歴史上の人物
歴史上の人物も、織田信長や
ナポレオン、リンカーンなど、
あまりに有名すぎる人は
参考になりずらいですね。
「愚者は経験から学び、賢者は歴史から
学ぶ」と言いますので、歴史をまったく
知らないのでは困りますが、誰もが
知っているような歴史上の人物の
エピソードしか話せないようでは
疑惑あり、とする必要があります。
超有名人に関するエピソードあれば、
よほど歴史を知らないひとでもない
限り、一つぐらいは知っています。
ごまかしは効きます。
会ったこともない歴史上の人物は
尊敬している人物というよりも
「好きな人物」というほうが近い
のではないでしょうか?
もう一つ問題なのは、面接官自身が
あまり歴史に詳しくないと
藪蛇になる可能性があることです。
よって、両親に加えて歴史上の人物も
除いたうえで「尊敬する人」を挙げて
もらうことが賢明でしょう。
もちろん、具体的なエピソードを
挙げてもらい、それが候補者の
人生や仕事にどのように活用されて
いるのかを確認することはいう
までもありません。