この連載は、採用面接の前に
候補者がやっている面接対策への
「対策」をして、あらかじめ用意
しているであろう「想定問答集」を
使い物にならなくなるようにする
方法について書いていきます。
第8回の「面接対策破り」のテーマは
「耐えられないこと」
です。
退職理由と直結
この質問は、退職理由の
「ホントのところ」を類推する
ためにする質問です。
退職理由をストレートに質問
したとしても、真実の答えが
返ってくることはまずありえ
ないため、変化球としてこの
質問をします。
退職理由を質問するのはムダです。
本当の理由を完全に見えなくする
ほど、厚塗り「理論武装」がされた、
素顔が伺い知れない答えしか
返ってきません。
どんなに一流企業に勤めていても、
高い給料をもらっていても、退職
してしまう人はいます。
その理由は、いかにお金を積まれても
「耐え難い」ことがあったからなの
ではないでしょうか?
その「耐えられないこと」を質問する
ことが、退職理由だけでなくその
候補者の根底にある価値観であり、
人となりを表すものです。
人間関係のもつれ
多かれ少なかれ、人が集まれば
人間関係の「もつれ」は出て
くるものです。組織に所属して
いれば、それは避けては通れない。
その点で、退職理由はその多くが、
自分の経験から言っても人の話を
聞いても、「人間関係のもつれ」
によるものであり、それ以外の理由は
ほとんど考えられないほど。
それを面接官自身もわかっては
いるのですが、それが面接で
語られれば、たとえそれがその
候補者のせいでは100%なかった
としても、マイナス評価することに
なってしまうのです。
それが、和を大切にし、喧嘩両成敗が
浸透している日本企業の考え方であり、
これは容易には変わらない。
候補者もそのことがわかっている
ために、退職理由が人間関係が
上手くいかなかったからだとは
口が裂けても言わない。
それだから、人間関係のもつれの
中でも、特にあなたが耐えられない
種類のものはなんなのでしょうか?
それを質問してあげることで、
多くのことがわかるのです。