この連載は、採用面接の前に
候補者がやっている面接対策への
「対策」をして、あらかじめ用意
しているであろう「想定問答集」を
使い物にならなくなるようにする
方法について書いていきます。
第9回の「面接対策破り」のテーマは
「私をどう思う?」
です。
遠慮なく
候補者にとっての面接官は、言うまでも
ないことですが、縁があって入社する
ことになれば「上司や同僚になる人」
です。
一次面接の場合には、人事部の人間が
面接していることが多いのでそのような
ことはないでしょうが、最終的には、
面接官を務めることになるのは
上司や同僚になる人です。
候補者としてはそのことを見越した
上で、面接では言動には気を付けて
おかねばなりません。実際にも
そうしていることでしょう。
それは面接官も同じです。
結果的は縁がなくて採用には
至らなかったとしても、候補者に
対する礼を失するようなことが
あれば、そのことがネットに
書かれたりして評判を落とします。
採用活動は双方向です。
候補者だけが面接官に評価される
わけではなく、面接官も候補者に
よって評価されています。
しかし、その評価を訊くための
質問を面接官が候補者にする
ことはほとんどないのではない
でしょうか?
だからこそ、
「面接官である自分のことを
どう思うか?」
という質問をすることは、
候補者の意表をつくことに
なるでしょう。
忌憚ない意見
おそらく候補者は、正直には
答えないでしょう。たとえ
悪い評価を下していたとしても、
それを口にすることはない。
言ったとしても、候補者にとっては
利益になることはなく、不利しか
ないからです。
しかし、それでもあえて悪い
評価であっても遠慮なく口に
する人がいれば、迷うことなく
その人を選ぶべきです。
そんな人は、自分のことだけで
なく、相手のためを想って敢えて
悪役を引き受けることができる
人です。なかなかいないタイプの
人物です。
たとえ採用には至らなかったと
しても、面接官としての自分が、
さらには候補者にとって自社が
どのような評価をされているか
という貴重な情報が得られます。
面接官にとっては、面接官である
自分や自社に対するマイナス評価を
聴くことになることさえ恐れ
なければ、得ることの多い質問
だと言えるでしょう。