どんなに優れたスキルや経験を
持っていても、基本マナーが
デキていないがために
「一瞬にして敗北」することに
なった人をたくさん見てきました。
面接を受ける側の候補者として
だけでなく、面接をする面接官と
しても豊富な経験を持つ視点から、
面接で「瞬殺」されない方法を
お伝えします。
第6回の「基本マナー」のテーマは
「帰り際」
です。
別れる時に本性がわかる
男女が出会って付き合ったものの、
不幸にも別れるということになった。
その時に始めて、それまでは知らな
かった、お互いの本性がわかると
言います。
付き合っているときではなく、
本性は別れる時に露になる。
それは面接でも同じです。
初対面同士で面接が始まるので
候補者も緊張し気を張って
いますから、なかなかその本当の
姿は見えず、わからないものです。
だからこそ、面接が終わってから
候補者が会場を後にするまでの
数十秒間に注目します。
完全には気を抜いているわけでは
ありませんが、注目して観察して
いると、候補者の本性が垣間見える
ものなのです。
注目点は面接が終了してからの
所作です。
面接終了後は行儀よく、なおかつ
速やかに退出し、面接官に不必要な
跡片付けをさせることになったり、
待たせないようにすることが
ベストです。
座っていた椅子はきちんと
しまってあるか?
適性検査を同時に行っていた
場合には消しゴムを使うことも
ありますが、その時に出た
消しカスを残したままに
していないか?
書類の片づけや、上着や
コートを羽織るのに時間がかかり、
面接官を待たせたりしていないか?
スーパーやコンビニのレジで、
もう会計は終わっているのに
財布をカバンにしまい、ジッパーを
きっちりと締めてからでないと
どかない人がいますが、それと
同じです。
つまり、相手に対する気遣いが
面接終了後から辞去するまでの
短い時間に、何気ない形で
出てしまうということでです。
そしてそれは、注意深く観察して
いないと気付かないほどの、
ささいなことであるのがほとんど。
候補者にとっても、普段意識せずに
やっていることで、それほど重要な
ことだとは考えていないこと。
重要だと思っていないから、改善
する必要性すら感じていない
「本性」なのです。
面接官は、面接中よりもむしろ
終了後の数十秒にこそ意識を
集中させておくことが重要です。