採用活動では語られない、
人事担当のホンネを連載
していきます。
タイトルにもある通り、
ホントのところを率直に
語ることが毒舌に近くなる
ことも覚悟してやっていきます。
第8回の「毒舌≒ホント」のテーマは
「多芸よりも専門」
です。
専門分野があってこそ
私は4回転職して5社に勤務
したことがある。多くは中小企業で、
大企業は一社だけであるが、
その経験から、大企業と中小企業の
大きな違いは「組織力」であると
考えている。
具体的には、組織に所属する
1人1人が担当する仕事は
大企業ではきっちりと決まって
いるということだ。
それは「職務分掌表」という書類に
まとめられ、だれが何をするかが
きちんと決められているのだ。
担当以外の仕事はする必要はないし、
担当以外の仕事に口を出すと組織の
統制を乱す行為だということで、
いい顔をされない。
大企業に長くいると、仕事が専門特化
しすぎるために、他の仕事ができなく
なっていく。
中小企業ではそんなものは存在
しない。少数精鋭と言えば
聞こえがいいが、要は手が足りない
ということ。誰が何をするかが
決まっておらず、できる人がやる。
もしくは貧乏くじを引かされた人が
面倒な仕事を押し付けられている
ことがほとんどである。
メリットはある。自分の担当以外の
仕事にでも、意欲があれば取り組む
チャンスがゴロゴロしているという
意味では、経験を積むのに適した
環境であると言えるからだ。
この「なんでもやる」体験と文化を
経験しているのとそうでないのと
では大きな違いがある。
中小企業での「自分でなんでもやる」
という体験と文化を経験したうえで、
自分の専門分野を持っているという
ことが「使えるスペシャリスト」
なのである。
採用するならスペシャリストが
いいか?ゼネラリストがいいか?
というトピックがよくあるが、
スペシャリストのほうが断然
有利である。
しかし、そこには制限が付く。
大企業に新卒で入ってそのまま
スペシャリストになった人
「ではない」ということだ。
それは単に「専門以外のことは
できない人」にすぎない。
いろいろやってきて、そのうえで
専門分野を持っているのでなければ
意味がない。