人手不足、採用難の時代が長く
続く気配があります。
そんななかで、採用担当者が
「自分の判断で」「今すぐに」
始められることを実行する
ことで「採用できる環境」を
作る方法についての連載です。
第2回の「環境づくり」のテーマは
「迎える準備」
です。
門前払い
多くの企業が、せっかく集めた
採用候補者を、長い採用活動を経て
採用した新入社員を、初面接日や
初出社日といった
「ファーストコンタクト」
で門前払いしている。
おそらく、企業側にはそんな気は
全くないことだろう。しかし、
普通にしていることそのものが
すでに「門前払い」になって
しまっているのである。
候補者や新入社員には、最重要顧客に
接するかのようにすべきである。
さんざん世話になった恩人を自宅に
迎え入れるかのように入念に準備をし、
真心を込めてお迎えし、もてなさなければ
ならない。
招き入れられ、そして
迎えられていないと感じた
候補者は会社に入ろうとは
思わない。
歓迎されていないと感じた
新入社員は、そう遠くない時期に
辞めることを、入社初日に考え
始めることになる。
あるデータによると、歓迎されて
いないと感じた新入社員の半数は
6か月以内に退職していく。
1か月以内に退職することになる
のも珍しくない。
求人広告をどうしようとか、
面接で何を質問しようとか、
採用した人の研修プログラムを
考える前に、
「どうやって候補者を、新入社員を
迎えるか」をまず最初に考える
べきである。
面接までの時間をリラックスして
過ごすことができた。
入社初日にすべての備品がそろい、
メンバーとうまくやっていけそうだ。
候補者や新入社員をがっかりさせない。
そのためになにをすべきなのかを、
つきつめて考えるべきだ。
そして、十分に検討し、役割分担をし、
シミュレーションをして当日に備える
ことである。
そのための体制を取ることが
出来ないのなら、採用活動をする
環境が整っていない。
それができないようなら、
採用活動をしないほうが
マシである。
悪い評判が広まるだけで募集をしても
人が集まりにくくなるし、せっかく
入社した社員が業績に貢献する前に
辞めてしまうので「持ち出し」に
なるだけだ。
候補者や新入社員をしっかりと
お迎えすることができていないことが、
採用活動の失敗の根本原因であるかも
しれないという考えを持ってほしい。
影響は、あなたが考えている
よりもきっと大きい。