人手不足、採用難の時代が長く
続く気配があります。
そんななかで、採用担当者が
「自分の判断で」「今すぐに」
始められることを実行する
ことで「採用できる環境」を
作る方法についての連載です。
第8回の「環境づくり」のテーマは
「苦情をオソレナイ」
です。
果敢に挑め
採用担当者は、候補者からの
苦情、クレームを恐れすぎている。
なぜなら、候補者からのクレームは
「採用担当者本人に直接つけられる
ことはまれ」だからだ。
多くの場合は採用担当者の上司や
会社の問い合わせフォーム、さらには
代表番号に電話をかけることによって
苦情やクレームはつけられる。
その採用担当者に苦情やクレームが
あったことが多くの人に、特に
上司には知れてしまうのだ。
そして、候補者によほどの問題が
あるという場合を除いて、苦情や
クレームは、採用担当者のマイナス
評価になる。
そのため、多くの採用担当者は
苦情やクレームを恐れ、必要以上に
丁寧な言葉づかいと態度によって
防止しようとしている。
しかし、正直なところ、それでは
効果は限定的である。
場合によっては、火に油を注ぐ
ことになりかねない。
そうならざるを得ない事情もわかる。
はっきり言えば、求人広告を出して
応募してきた段階の候補者は、誤解を
恐れずに言えば
「得体の知れない人」であるからだ。
履歴書・職務経歴書を見れば
どんなことをやってきたか、
いわゆるバックグラウンドは
わかる。書類だけではその
「人となり」はなにもわからない
といっても過言ではない。
性格まではわからない。
もっと端的に言えば、
「どこに地雷があるか」
がわからない、ということで
扱いは慎重にしなければならない
ということだ。
だからといって、ご機嫌取りを
しようとしているだけでは
採用担当は務まらない。
表面をなぞっただけの、あたり
さわりのない質問に終始した
面接をしたところで、なんにも
わかるまい。
時には候補者の機嫌を損ねかねない
ような質問をぶつけることもしな
ければ、なにも得るものはない。
必要なのは腹を割って話すこと。
そのためになら信念をもって
不躾であれ失礼であれ、するべき
質問はする、話すべきことは話す
ということが重要である。
ひとかどの人物であれば、たとえ
不躾で失礼な質問をされたとしても
採用担当者が信念をもって、あえて
きわどい質問をしてきているのだ
ということは察することができる。
見誤って「ひとかどでない」人物に
きわどい質問をぶつけてしまって
苦情やクレームになるこもあろう。
しかし、恐れてはならない。
信念をもって、それができる
採用担当者であれ。