人手不足、採用難の時代が長く
続く気配があります。
そんななかで、採用担当者が
「自分の判断で」「今すぐに」
始められることを実行する
ことで「採用できる環境」を
作る方法についての連載です。
第11回の「環境づくり」のテーマは
「研修よりマナビバ」
です。
成長できる職場か
働く場所を決める基準は、
「どれだけお金を稼げるか」
から
「今後の人生を生きるために
必要な経験やスキルをどれだけ
積むことができるか」
にシフトしている。
人が求めるのは、短期的な利益で
ある高給や好待遇ではなく、
長い目で見た利益、つまりは
他では得難い経験やスキルの獲得が
できて「成長できるかどうか」
なのである。
このことを理解していない企業が
提供する「働く場所」は、魅力を
失い、いくら高給・好待遇でも
人を惹きつけることができなく
なっている。
「魅力的な職場」とは、企業がいかに
豊富な研修プログラムを提供して
いるのか、などのハード面では
測れない。
研修プログラムなどなくても、
その場所に自分がいること自体に、
学ぶことが多いかどうかを実感
させることができるかどうか、
にかかっている。
つまり、その企業自体が「学び場」で
あるかどうかなのである。
人生100年時代
人生100年時代と言われる今、
1つの「働く場所」で一生を
終えることができると考えている
「ノーテンキ」な人は、ほとんど
いない。
いたとしてもそれは、時代や社会の
変化に対してアンテナを張っていない
人であろう。
特に優秀でもないだろうし、仮に今は
優秀でも、これからはどんどんさび付き
使えなくなる。
ひとかどの人物なら、今の状態が
ずっと続くとは考えていないし、
そのための準備を怠らないものだ。
その準備とはこの場合、いつ今の
職場を出ることになっても、次の
場所で使える経験やスキルを蓄えて
おくことである。
このことが企業側に求めることの
意味は大きい。
なぜなら、今いる社員が
「ずっとこの会社で働いてくこと」
を前提にした人材育成プログラム
では立ち行かなくなるという
ことを意味する。
もっと言えば、その企業の組織内で
価値のある人材を育成することでは
ないということだ。
その外にある市場にとって価値の
ある人材を、いかに育成することが
できるかという視点での行動が
求められる。
それは、学生が卒業して後の
活躍を願って教育を行う大学等の
教育機関としての役割を、企業が
努めるのだという意識を持つことを
求められている、ということである。
人材は天下の周りものなのである。