採用担当者は、多くの交渉ごとに
日々、さらされている。
しかもかなりヘビーな交渉だ。
相手も候補者だけでなく、社内
の人間であることも多い。
そんな交渉事を有利に進め、
人材採用しやすくする環境を
創ることをテーマに連載。
第2回の「交渉術」のテーマは
「面接日時は変更しない」
です。
先約は絶対
面接日時調整には、採用担当者は
いつも頭を悩ませている。
候補者と社内の面接官との板挟みに
なって気苦労が絶えないからだ。
候補者と面接官、二者間の都合を
調整をするだけなので特別な
スキルが必要なわけではないし、
丁寧にすれば問題は起きにくい。
言ってしまえば、新人にだって
できる「カンタン」な仕事だ。
しかし、気を付けないと大きな
落とし穴にはまることになる
仕事になるのである。
なぜなら、この仕事自体に成果は
あり得ない。できて当然なこと
だからだ。さらに、採用担当者が
このことに時間を取られることに
気を配らなければ、他の業務に
割く時間を容赦なく食いつくす
モンスターを育てることになる。
だからこそ、いったん決定した
面接日時の再調整には、基本的には
応じないことが肝要である。
そんなことに使う時間は、何も
生まない。
優先度が下がった
いったん決まった面接日時を
変更したいという申し出は、
翻訳すると
「他に重要な案件(面接)と
バッティングしまして、比較した
ところ御社の面接のほうが優先度が
低いことがわかりました。
つきましては御社のほうの面接日時を
変更したくお願いします」
ということである。
優先度が下がったのである。
なぜ、そんなことに対応して
貴重な時間を使わなければ
ならないのでしょうか?
面接日時は先約であり、あとから
決まったことに動かされる
「いわれ」はないのである。
ほかに重要なお客様からの予約が
入ったので、あなたの予約を変更
もしくは取り消したいと言ってくる
レストランがあるだろうか?
もしあったとしたら、そんな
レストランには二度と行かない
でしょう?これと同じである。
いったん決まった面接日時を
もし動かしたいのなら、当社の
面接よりも重要なことが発生
したのだということを正直に
告白してもらわないといけない。
採用活動において欠くことの
できない「面接」をセッティングする
という重要な仕事が面接日時調整
である。だからこそ、最高の状態で
セッティングできないことがわかったら、
取りやめにすることが肝要なのである。