人材採用を有利にする 「交渉術」 Vol.4「理想の人物像は捨ててもらう」


採用担当者は、多くの交渉ごとに

日々、さらされている。

しかもかなりヘビーな交渉だ。

相手も候補者だけでなく、社内

の人間であることも多い。

 

そんな交渉事を有利に進め、

人材採用しやすくする環境を

創ることをテーマに連載。

 

第4回の「交渉術」のテーマは

「理想の人物像は捨ててもらう」

です。

 

ない袖は振れぬ

 

採用担当者はもはや

「打ち出の小づち」を持つ

ことはできなくなった。

 

どういうことか?

 

採用担当者の人脈や力量で、

どこかから、各部署が求める

「理想の人材」を連れてくる

ことはもう不可能になった、

ということである。

 

少し前までなら、採用担当者の

人脈や力量でなんとかなる余地

はあったかもしれない。

 

しかし、もう不可能だ。

ない袖は振れない。そう

宣言してしまったほうがいい。

 

若く、転職経験が少なく、

簡単には辞めず、残業もいとわず、

部署の飲み会にも嫌な顔1つせず

参加する。こんな人材はもう

どこにもいない。

 

採用候補者として会うことすら

極めて困難、不可能だろう。

 

なぜなら、そんな「我慢」など

しなくても、働く側からすれば

いい仕事があるからだ。

嫌ならすぐに辞めるし、辞めても

いくらでも引き合いがある。

そういう時代、人手不足はそんな

状態にまで来ている。

 

しかし、各部署のマネージャーは

そのことを本当には理解して

いない。

 

「探せばまだいるだろう?」

「採用担当なんだから、

なんとかできるだろう?」

「なんでこんな人材しか

集められないんだよ?」

 

空前の人手不足になっている

という時代の変化はテレビや

新聞で目にしていて知っているが

それは「よそのこと」だと

どこかで思っている。

 

そのため、自分が求める

「理想の人材」のハードルを

下げることができず、ないもの

ねだりを続ける。

 

状況が変わらないのは採用担当者

のせいなのだと思い込むだけで

自分ではなにも改善しようとしない。

 

その状態を長く放置することは、

もはや採用担当者の首を絞める

状況になっている。

 

腹をくくって、今までと同じことを

続けてもラッキーパンチが当たって

「理想の人材」が採用できることは

ないのだということを、徹底的に

各部署に説いて回ることが必要である。

 

そして、理想の人材像はとりさげて

もらい、妥協できるラインを時間を

かけて話し合うことからすべては

始まる。

 

ラッキーパンチが当たることを

願うことがマズいのは、当たる

ことがあったとしてもそれが

いつになるかがわからず

「アテにできない」からだ。

 

それまでに百発パンチを

食らっても立っていられる

人はいない。