採用担当者は1人では仕事は
できない。社内外の多くの
関係者の協力を得ながらの
仕事になる。
お願いする立場で強くは
言えないが、許されるなら
「そんなんじゃ候補者の厳しい
企業選別の目に耐えられないよ!」
と、採用を失敗させた犯人に突き
付けたい、関係者の言動について
の連載です。
第2回の「犯人」の言動は
「読んでいない」
です。
すぐにばれること
極言すれば、目の前にいる候補者が
提出した履歴書・職務経歴書が
手元にはなくても、面接することが
できる。
なぜなら、内容が頭に入っている
からだ。
万が一間違いがあってはいけない
ので「念のため」に置いてあるだけ。
基本的には見ずに面接をする。
そのような状態になるまで、面接官は
履歴書・職務経歴書を読み込んで臨む
ことが必要だ。
読んでいないことはすぐに候補者に
バレてしまう。そしてバレた瞬間に
面接は失敗に終わるだろう。
なぜなら、候補者は
「この面接官は自分には興味が
ないのだ」
と判断するからだ。
当然の反応である。
提出した履歴書・職務経歴書に
目を通し、興味を持ったからこそ
面接に呼ばれていると考えるのは
至極まっとうなことだ。
そうではなく、事前に読んでもいない
ことは筋が通らない。
パッとどこか特定の箇所だけを見て
画一的な判断で
「とりあえず面接に呼んで、話ぐらい
聞いてやってもいいんじゃないか?」
という態度が透けて見えてしまう。
そんなあいまいな理由で面接を
設定し、候補者の時間を奪う
ようなことは許されない。
しかもそのことで空費される時間は
候補者のものだけでなく面接官の
時間もである。
面接官の時間は紛れもなく労働時間だ。
労働時間をムダに過ごすことをなんと
言うか?給料泥棒である。
百歩譲って、給料泥棒はまだいい。
社内のことだし、そのような行為は
他にもたくさん横行しているだろう。
だが、ただの怠慢によって何の関係も
ない候補者の時間を奪う権利は面接官
にはない。しかもそれを防ぐ方法は
簡単であるにも関わらず、それをしない
ことが余計に罪深い。
枚数にしてたった数枚のことであろう
履歴書・職務経歴書を読むことが、
そんなに大変なことか?
そんな時間も取れないほど忙しいのなら、
面接をすることのほうがよほど時間を
取られることになるのだから、矛盾
している。
候補者の数が多い?
だったら、面接に呼ぶ人数を少なく
すればよい。
いい加減な面接ならしないほうが
マシである。