犯人はおまえだ! 採用を失敗させる人の言動 Vol.8「辞めない人を求める」


採用担当者は1人では仕事は

できない。社内外の多くの

関係者の協力を得ながらの

仕事になる。

 

お願いする立場で強くは

言えないが、許されるなら

「そんなんじゃ候補者の厳しい

企業選別の目に耐えられないよ!」

と、採用を失敗させた犯人に突き

付けたい、関係者の言動について

の連載です。

 

第8回の「犯人」の言動は

「辞めない人を求める」

です。

 

卒業が当たり前

 

会社を辞めることを「退職」とは

言わずに「卒業」という言い方を

する人が増えている。

 

退職というと、なにか嫌なことが

あったとか、不満を募らせている

人がついに耐え切れず辞めていく、

というようなマイナスイメージが

強い。

 

しかしそうでない場合が増えている

のである。

 

特に嫌でもないし不満もないけれど、

次のステップに進む決断をしたので

会社を去る。その場合に「卒業」と

いう言葉が使われるようだ。

 

良い会社だけど、これからの自分の

人生において、より必要なことが

見つかった。だから会社を去る選択を

することは、これからの時代には

当たり前になるだろう。

 

にもかかわらず、採用現場ではあいも

変わらず「辞めることは良くないこと」

という固定観念にとらわれた面接官が

はびこっている。

 

逆に質問したいが、もし辞めない人を

求めるのであれば、その代わり、

あなたの会社は危機に陥っても社員の

クビを絶対に切らないし、倒産したりして

職を失わせるようなことはないと

保証できるのですか?

 

そんな保証などできるわけがない。

ならば、働く人の側にだけ、辞めずに

いることを求めることは筋が通らない。

 

今の時代、辞めないであろう人を

求め、採用の条件として掲げることは

採用の失敗に直結する。

 

無論、特に理由もないのに短期間で

辞めるような人や、少し叱っただけで

辞めるなど、働くことに対する自覚が

ない人でも受け入れろと言っている

わけではない。

 

だが、優秀な人材のなかにも、合理的な

理由によって短期間で辞めてしまう人も

いるという事実は受け止めねばならない。

 

どういうことかというと、もし短期間で

辞める優秀な人材が続出しているなら、

あなたの会社が見限られているのかも

しれない、ということだ。

 

我が振りを直さず、辞める人のほうだけを

責めるだけでは何も変わらない。

現実を受け止め、改善するために必要な

シグナルなのかもしれないと、まずは

見方を変えてみることだ。

 


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