採用担当者は1人では仕事は
できない。社内外の多くの
関係者の協力を得ながらの
仕事になる。
お願いする立場で強くは
言えないが、許されるなら
「そんなんじゃ候補者の厳しい
企業選別の目に耐えられないよ!」
と、採用を失敗させた犯人に突き
付けたい、関係者の言動について
の連載です。
第10回の「犯人」の言動は
「立場がわかっていない」
です。
面接官などちっとも偉くない
人材採用担当を長くしていて
「面接官を誰にするか面接して決めたい」
と何度思ったことか。
面接官を誰にするかで採用活動の成否が
決することも珍しくない。ろくでもない
面接官のせいで採用活動がうまくいかなく
なっても、そのことの責任は採用担当で
ある人事部門が負わされる。
もちろん面接研修をしたりレクチャーも
するのだが、それだけではこの事態は
防ぐことはできない。
面接官は候補者と対等の立場にいる、
ということは大前提だ。
候補者を評価し採用するか決定する
ために面接をしているが、それは
候補者側にとっても同じ。
会社を、面接官を評価し、入社するか
どうかを決定するのは候補者だ。
面接の場でなぜそれほど失礼で、
上から目線で尊大な態度になるのか?
人を採用する部門から派遣された面接官と
一緒に並んで面接をしていて、こっちまで
嫌な思いになったり、不適切な言動に
冷や汗をかいたりしたことは一度や
二度ではない。
もし私が候補者の立場なら、こんな人と
一緒には働きたくないと強く思うだろう。
候補者が途中で席を立ったとしても、
私が盾となり候補者をかばおうとさえ
思ったこともある。
候補者の話に共感することなく
耳を傾けないどころか、いたずらに
揚げ足を取り、弱点を責め立てる。
面接のあいだじゅう、終始一貫して
候補者の顔を見ようとさえしない。
履歴書・職務経歴書に書いてある
ことを質問し、事前に読んでいない
ことがもろバレ。
候補者の名前を間違えて言う面接官
さえ少なからずいた。
面接官は優秀な人に務めてほしかったが、
残念ながら、採用担当には人選の権限
まではない。
採用面接の場をコントロールするのは
人事部門の面接官じゃないことが
残念でならない。
こんな面接の場に候補者を呼んで
しまったことに心からお詫びを
差し上げたい。できることは、
せめて丁重にお見送りする以外に
ないことが口惜しい。