採用活動で一番痛いのが
「選考辞退」です。
その原因の多くは、候補者の
パーソナリティでもなく、他社
内定等の「外部要因」でもなく、
意外なところにあるものです。
避けられる「辞退」をなくして、
余計なストレスを抱えこまない
採用活動をする方法を連載します。
第11回の「原因」は
「言われる前に動かない」
です。
ガキの使い
一流の採用担当者と二流の
採用担当者との違いは、
「先回り力」である。
候補者から要望という形で
言われる前に、もっと言えば
候補者が口にしない「要望」
をくみ取り、いち早く対応する
ことができるかどうかが重要
なのである。
候補者は一般的に沈黙を守る
ものである。言いたいことや
してほしいことがあっても
口にする候補者のほうが
圧倒的に少ない。
それらを満たしてもらえず、対応して
もらえないと落胆し、不満を抱えた
まま黙って選考辞退をしていく。
候補者から言われた要望は、よほど
できていない、足りていない点が
あり「腹に据えかねて」あるいは
「見るに見かねて」出てきたもの
だと思ったほうが良い。
その後ろに、数倍から数十倍の
「出来ていない点」
「足りていない点」
があると考えるべきである。
言われたことだけにその都度
対応しているのでは、全く
不十分である。それでは
ガキの使い。AIに代替される
だけの仕事でしかないだろう。
必要なのは、言われたことに
関連して、あるいは予測できる
「出来ていない点」
「足りていない点」
に対しても、改善すべく行動を
起こすことである。
現状が必ずしも良い状態では
ないという意識がなければ、
進歩はない。
誰かから指摘されるまでは
問題がないと考えるのは
あまりにも能天気すぎる。
言われたことをやるだけでは
一流の仕事とは言えない。
芸がない。
言わなくてもわかること、という
ものがある。それは当然のこととか
「常識」と言われるものである。
それすらできていない可能性が
あるということを認識するべきだ。
そのような意識のない企業の採用選考は、
知らず知らずのうちに、辞退される
可能性が高い。そして、その理由を
企業が知ることは永遠にないだろう。