人材採用は企業・組織内の
他の仕事とは違う論理で
動く必要があります。
そのことに関する連載を通じて
人材採用のあるべき姿、守るべき
「掟」を描きます。
第四条
「悪いことから伝える」
です。
アップサイドダウン
どんな企業や組織にも、良い面と
悪い面があります。働くにあたって
すべての点で満足のいく職場など
存在しないことはだれもがわかって
いることです。
問題になるのはその「程度」で
あるということです。
働く人にとって許容できることと
そうでないことがある。
許容できないことがある職場には、
一流企業でステータスがあっても、
給料が良くとも休みが多くとも、
留まることはありません。
その事実を認識する必要がある。
採用活動においては、できるだけ
入社を決めてくれる人が多くなる
ように、良い面を強調することに
走りがちです。
悪い面は、候補者から質問されない
限りは口にすることはなく、もし
質問されたとしても過少申告する。
それは間違った対応です。
問われなくても、働く人にとって
判断材料になると思われることは
包み隠さず伝える。その姿勢こそが
長い目で見た場合にはm採用活動の
成功につながります。
我慢できる悪い面であれば問題ない。
しかし、自分の価値観に合わない、
許すことができない、腹に据えかねる
悪い面を日々直面しながらもそれに
耐えて働くことは不可能です。
そのような「人間の心の機微」を理解
して対応することの大切さ。
これをわかっていないと、入社はした
ものの早期退職になってしまう
「火だね」を抱えることになる。
このことによって、採用はできる
ものの定着せず、退職者も多く、
永遠に採用活動をするハメに陥る
原因となります。
もし退職者が多くて困っているので
あれば、退職者に「退職理由」を
根気強く質問することです。
退職者にインタビューするのは
気が進まないでしょうし、
全員が全員、答えてくれるわけでは
ないでしょう。
しかし中には、世話になった事に
対する感謝から包み隠さず話して
くれる退職者も出てきます。
過去の退職者にインタビューをして
いれば、どんなことに耐えることが
できなくて退職する決断にいたった
のかについてデータを持っている
はずです。候補者にあらかじめ
伝えておくべき「悪い面」を知る
手がかりになります。