採用活動の掟 第十一条「失敗を語らせよ」


人材採用は企業・組織内の

他の仕事とは違う論理で

動く必要があります。

 

そのことに関する連載を通じて

人材採用のあるべき姿、守るべき

「掟」を描きます。

 

第十一条

「失敗を語らせよ」

です。

 

圧迫面接と紙一重

 

20世紀を代表する経営学者で

「マネジメント」

「イノベーションと起業家精神」

など数々の名著を書き残した

ピータードラッカーによれば、

「優秀な人ほど失敗も多い。

新しいことに挑戦するからだ」

と言っています。

 

候補者から面接に先立って提出される

履歴書・職務経歴書には、はっきり

言えば「良いこと」「都合のいいこと」

しか書かれていない。

 

主観的で、選別され、誇張されたこと

ばかりが並んでいる。

失敗したこと、都合の悪いこと、

ありのままのことは書かれていない。

 

失敗を書けばマイナス評価されると

思うのだろうが、そんなことはない。

うまくいったことしか経験がない人

などはいない。もしそれしかないと

いう人がいたらお会いしたいものだ。

 

上記で紹介したドラッカーの言葉の

ウラを返せば、失敗をしていない

人間というのは、新しいことに

挑戦せず、無難なことばかりを

繰り返してきた人物だという

ことになる。

 

そう思われてもいいのなら

「美辞麗句」ばかりを履歴書

職務経歴書に並べればいいが、

そんな書類を見ることばかりだ。

 

恐れず一歩踏み込む

 

誤解を恐れずに言えば、それら

美辞麗句をかき分け、ホントの

ところを「暴き出す」のが

面接の役目である。

 

それを、候補者の機嫌をそこねない

ように、表面だけをなぞるような

質問を繰り返す面接をしても、

ほとんど意味はない。

 

だから、多少はきつい言い方になる

こともあるし、荒っぽくなるし、

不愉快な思いもさせるし、傷口に

塩を塗るような質問をしなければ

ならないこともある。

 

圧迫面接だと解釈されることと

紙一重になることも少なくない。

 

そこの境界線をどのようにわたり歩くか。

それは候補者との信頼関係しかない。

決して害意はなく、興味本位でもなく、

絶対に必要な質問だと確信したうえで

質問しているのだ、ということが

伝わるように、真摯な姿勢で対する

より他にない。

 

それでも誤解され、クレームを受ける

こともあるだろう。人間と人間との

間のことだから、分かり合えない

こともあるのは仕方ない。

 

だからといって、恐れてはならない。

候補者との「魂と魂のやり取り」が

できると信じて進むしかないのだ。