採用活動の掟 第十二条「情熱を大きさで測らない」


人材採用は企業・組織内の

他の仕事とは違う論理で

動く必要があります。

 

そのことに関する連載を通じて

人材採用のあるべき姿、守るべき

「掟」を描きます。

 

第十二条

「情熱を大きさで測らない」

です。

 

ごまかしがきく

 

採用する人には、その企業・組織で

働くことに対する情熱が必要だ。

それがない人では、いくら能力が

高くても採用する意味はない。

 

面接では、その情熱があるか

どうかを見極めることも、

面接官の重要な仕事である。

 

だが、その見極め方が問題だ。

多くの面接官は「大きさ」で測る。

「深さ」で測らないから失敗する。

 

睡眠と同じで、長い時間寝たから

といって良い睡眠だとは限らず

「眠りの深さ」がなければ

質の良い睡眠にはならない

のである。

 

たとえば声の大きさだ。

元気の良さ、と言い換えてもいい。

そんなものは、少し気を付ければ

どうにでも操作が可能だ。

 

たかだか1時間の面接くらいの間

であれば、テンションを保つのは

難しくない。応援団が甲子園で

張り上げるような声は必要ない

のだから。

 

他には「ビジョンの大きさ」だ。

口では何とでも言える。

語ったビジョンの実現のために

「いま、何をしているか」を

こそ問うべきだ。

 

「これが必要だと思います」ではなく

「その必要を感じ、いまこのような

行動に移しています」ということを

具体的に語ることができなけれ

ならない。

 

その行動が正しいか正しくないかは

まるで問題にはならない。

思っている・考えていることは

実行されなければ何の価値も

ないのだから。行動にこそ価値がある。

 

それから、直接的な大きさでは

ないが、偏差値が高い大学や

有名大学出身者を良く見てしまう

「学歴バリュー」に惑わされたり

前職企業の大きさや有名度に

よってできる「前職バリュー」に

ごまかされてはならない。

 

それらは単なる飾りだ。候補者本人の

力とは何の関係もないことである。

色眼鏡で見てしまわないことを

心がけねばならない。

 

これら「みせかけ」のことで、

情熱を判断してはならない。

候補者をよく観察し、それが

本心なのか、本当のことを

言っているのか、ありのままを

語っているのか、候補者の言動の

「深さ」を測らねばならない。

 

そのためには、面接官自身の

「懐の深さ」とでもいおうか、

日々の仕事に対する姿勢、

読書などによる研鑽、そして

候補者に対する尊敬と尊厳を

持った対応と、人材採用という

仕事の重要性に対する真摯な

姿勢が必要である。