採用担当者に最も必要なのは良心だ Vol.6「あえて採用しない」


人材採用の担当者にとって

もっとも重要なものは

「良心」である。

 

このことは、長く採用担当を

やってきた経験から断言できる

ことです。

 

それについて連載します。

 

第6回

「あえて採用しない」

です。

 

要望は要望として

 

採用担当者の仕事は、各部門からの

要請によって始まる。

たいていは退職者が出たとか、

業務が増えて人が足りないので

採用したいという申し出である。

 

しかし、それを額面通りに受け取り

検証することもなく採用活動を開始

しているのでは、採用担当者として

二流である。

 

「現場のことは現場が一番よく

わかっている。現場が必要だと

言っているのだから口を挟むな」

 

もし採用活動が本当に必要なのかと

要請してきた部門に問いかけよう

ものなら、そんな反応が返って

くるであろう。

 

しかし、なんと言われようが、

必要のない採用活動はしない。

それこそが採用担当者が最初に

行うべき、そして最も重要な

仕事なのである。

 

人が足りないことが即、採用が

必要だということにはならない。

退職者が出たことも、業務が

増えたことも「人が足りない」

本当の理由かどうかわからない。

 

ゆえに、本当に採用することが

必要なのか、第三者の目で検証

することが必要である。

そしてそれができるのは、

採用担当者しかいない。

 

もしこのステップを怠れば、

その影響は大きい。その影響を

一番受けるのは採用担当者だ。

 

採用活動にかかる時間とお金は

かなりの量と金額になる。

求人を創り募集をかけ、書類選考

から面接、入社条件の交渉まで

多くの人が関わることになる。

 

これらの時間とお金はまだいい。

最も考えたくないのは、状況が

変わり余剰人員を抱えることに

なったときである。

採用するよりも数倍のエネルギーを

費やして「人切り」を行わなければ

ならない。

 

その先頭に立つのはだれか?

多くの場合、人事担当でもある

採用担当者だろう。

 

採用活動は走り始めたら止める

ことはほぼ無理である。採用が

できるまで終わることがない。

採用できない理由を探ることは

あっても、必要性そのものに

目を向けることはない。

 

それまでに時間も費用もかなり

かけてしまっているので、終わる

選択肢を検討に加えることが

そもそも難しい。ましてやめる

決断をするのはなおのこと難しい。

 

だからこそ、始める前の段階で

「あえて採用しない」選択肢を

模索することが重要なのである。

そのステップをしっかりと踏む

ことが何よりも重要なのである。


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