採用担当者に最も必要なのは良心だ Vol.8「ウソを許す」


人材採用の担当者にとって

もっとも重要なものは

「良心」である。

 

このことは、長く採用担当を

やってきた経験から断言できる

ことです。

 

それについて連載します。

 

第8回

「ウソを許す」

です。

 

知らず知らずのうちに

 

意識しているかいないかに

関わらず、採用候補者は

あらゆる場面でウソを

ついています。

履歴書・職務経歴書でも、

面接でも、面接や内定を辞退

する理由でも。

 

話したくないこと、評価にマイナス

になることなど、本当のことを

隠している場合であれば

「意識してのウソ」になりますし、

自分勝手な主観的な判断によって

事実を誤認し、都合のいいのように

解釈している場合には、多くは

「意識していないウソ」になるでしょう。

 

採用担当をしていると、候補者のウソ

には付き合いきれないと思うことが

何度もあります。失敗しない人間など

ドラマでもない限りはこの世に存在

しませんし、欠点のない人間もいない。

 

失敗したことや欠点を話せばそれが

マイナス評価にしかならないという

ことはない。採用担当者の評価は

そんなに単純なロジックで動いて

いるわけではありません。

 

にも拘わらず、これまでのキャリアで

やらかした失敗の経験を明らかにする

ことなく、欠点はあってもそれを

プラスに変換して頑張っていることを

アピールされることには、もう

うんざりです。

 

しかし、採用面接をクリアしないと

採用されることはないのですから、

それを何とか「攻略」しようとする

候補者が存在することは、こちらと

してはいかんともしがたい。

 

問題はそんなことではありません。

 

ウソがつかれていることを前提

としたうえで、採用担当者は

「それを許し、自分は一切のウソを

つかない」というルールを徹底する

ことです。なぜなら、採用担当者が

ウソをつけば、採用した人の人生を

狂わせてしまうことになるからです。

 

候補者が採用面接でウソをつき、

なんとか面接官をごまかして採用

されたとしても、困るのは候補者

自身だけで済むからです。

そのことが原因で期待していた

仕事をこなすことができないことが

判明して早期退職になったりすれば

経歴に傷がつくことはあっても、

それは自己責任です。

 

しかし、採用担当者がウソをついて

候補者が入社への意思決定を行う

上での重要な要素に「間違った情報」

を与えたら?候補者はだまされたと

思い、早期退職してしまうでしょう。

企業にとっては痛手です。採用に

かけた時間もお金もパーになるし、

また同じことをしなければならなく

なってしまう。

 

それだけでは済みません。そのことを

周囲に話し、ネットに書き込み拡散して、

その企業の悪評が広まってしまう。

 

採用担当者のウソは、誰も得をしない

どころか、すべての関係者にとって

害悪以外の何物でもないのです。

 

採用担当者は、ウソをつく候補者を

見て反面教師として常に自分はウソを

ついてはいけないのだと、自らを

戒めねばなりません。