生き残り戦略としての人材採用 Vol.7「善意」


企業や組織が生き残るための

最大の武器は人材である。

 

そうであるならば、その人材を

採用するために積極的な採用活動を

行うことが最大の生き残り戦略で

あることは明白だ。

 

この連載は、生き残り戦略として

人材採用を考える場合にやるべき

ことについて、厳選して書く。

 

第7回

「善意」

です。

 

退職理由を質問しない

 

面接において定番の質問の

1つに数えられているのが

「退職理由」である。

 

ほとんどの面接官がこの質問を

まるで朝起きたら顔を洗うのと

同じくらいに当たり前のことと

疑問も持たずに質問している。

本当に必要な質問なのか、いま

一度考え直したほうがいい。

 

もし人材を戦略上欠くべから

ざるものと考えているので

あれば、この質問は絶対に

してはならない。

 

なぜなら、退職理由を訊くことは

悪意をもって候補者を見ている

ことの証明だからだ。簡単に

言えば「信用していない」と

いうことである。

 

なにか問題を起こしたので

はないか?自分勝手な理由で

退職しているのではないか?

退職理由を質問することは

そんな目で候補者を見ている

ことを白状するようなものだ。

 

自分のことを信用していない

人に面接されて、入社したい

と思うだろうか?

候補者のことを「善意の相手」

として見なければ、採用する

ことはままならない。

 

筆者の経験でも、この質問を

されなかったことは、300社

以上の面接を受けてきたが

数社程度であった。

 

退職理由を訊かれるのは非常に

不愉快である。多くは人間関係が

悪化したり、組織内でなんらかの

不当な扱いをされたりしたことが

原因である。それ以外の理由を

探すほうが難しいが、本当のことは

言えないので、適当な理由でごまかす

のが常套である。

 

昨今は「卒業」という言い方を

して、何の不満もないが自分は

新天地を求める時期に来ている

という判断から退職をする

ケースも多くなってきている

ようであるが、まだまだ多くは

「不本意なことがあったので」

退職するケースであろう。

 

退職理由は、質問しても本当の

ところを候補者が白状すること

は少なく「キャリアアップのため」

「新しいことに挑戦したい」とか

取ってつけたような理由が語られる

だけであることを忘れてはならない。

 

相手を不愉快にさせ、何も得る所が

ない答えしか返ってこないのが

退職理由を訊くことである。

 

人材採用という点では意味が

ないのでやめるべきである。

 


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