生き残り戦略としての人材採用 Vol.10「理由」


企業や組織が生き残るための

最大の武器は人材である。

 

そうであるならば、その人材を

採用するために積極的な採用活動を

行うことが最大の生き残り戦略で

あることは明白だ。

 

この連載は、生き残り戦略として

人材採用を考える場合にやるべき

ことについて、厳選して書く。

 

第10回

「理由」

です。

 

最後の手段

 

人を採用することは最後の手段に

するべきだ。最後の最後まで、

人を新たに募集することを回避する

方法を考えるべきである。それでも

どうしても必要だ、という結論に

なって初めて行うべきなのである。

 

多くの場合、人手が足りなくなった、

人が辞めた、などの理由で採用活動が

始まることであろう。それだけが理由

なら、採用活動はしないほうがいい。

採用する理由があいまいでは、うまく

いかない可能性が高いからだ。

 

人手が足りない原因は、本当に

絶対的な「頭数」が少ないからなの

だろうか?

業務内容を見直し、必要のない仕事を

惰性でやってしまっているからでは

ないのだろうか?

外注に出したほうが効率的なのに、

社内に抱え込んでしまっている

仕事のせいで、必要な業務を行う

時間が削られているのではないか?

 

人が辞めたからといって、自動的に

補充しなければならないという

決まりはない。

退職者が担当していた仕事を、残った

人に配分することはできないか?

配分しきれなかったとしても、今の

仕事のやり方や業務の在り方を

変えれば対応可能なのではないか?

 

これらのことを見直し、できることは

やったうえで、どうしても必要だと

いう採用活動のみを行うべきである。

 

人手が足りない、人が辞めた。

このような理由で採用を申請して

くるマネージャーがいたとしたら、

そのマネージャーはそれほど優秀

ではないかもしれない。

 

人を採用するということにどれだけ

リスクがあるのかをわかっていない

のだろう。1人の採用によって、

チームが崩壊したり、組織が崩壊

するきっかけになることだって

あるのだ。しかもそれを選考過程で

見抜くことは非常に難しく、ほぼ

不可能なことなのである。

 

今まで何事もなくチームが機能し、

仕事がうまくいっていたことの

ほうが「ほぼありえない偶然」

なのだという自覚が必要である。

 

それを壊さない唯一の方法が

「できるだけ人を採用しない」

ことなのである。

 


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