企業や組織が生き残るための
最大の武器は人材である。
そうであるならば、その人材を
採用するために積極的な採用活動を
行うことが最大の生き残り戦略で
あることは明白だ。
この連載は、生き残り戦略として
人材採用を考える場合にやるべき
ことについて、厳選して書く。
第15回
「虚偽」
です。
採用担当者のウソ
候補者は面接でウソをつきます。
本人が自覚しているいないに
関わらず、故意かどうかに
関わらずそれは確実にある。
なぜなら、二つの理由があるからです。
1つは「主観的な意見」であること。
事実に沿っておらず、自分に都合の
いいように解釈されたことで、
正確ではない可能性があります。
二つ目は、候補者以外の意見を聴いて
「裏取り」がその場では少なくとも
できないので「客観的ではない」こと。
この二つのことから、「虚偽」にあたる
ことを話していると想定すべきであり、
そしてそのことは採用面接官であれば
織り込んでいなければならない。
一方、面接官はいかなるウソも
つかないように努めなければ
なりません。それは「質問されな
ければ言わない」ということも
含みます。
候補者は面接官の質問に対してだけ
答えればいい。候補者の不利になる
ようなことは、質問されない限りは
言う必要はありません。
しかし、面接官のほうは、言えば
自社にとって不利になるような
事項であっても、言わなければ
ならないことがあります。
その具体的な内容は会社・組織に
よってまちまちなので一概には
いえませんが、求人票には記載
することがないので、候補者が
知りようがないことであり、かつ、
過去に退職した人が退職理由に挙げた
「組織文化」「環境」「制度の欠陥」
に関することです。
この姿勢を貫くのに必要なことは、
採用担当者の仕事はなにか?その
原点に立ち返ることです。
課せられた「要採用人数」という目標を
達成するため、1人でも多くの人を採用
して入社させることなのか?
断じて違う。入社した人が気持ちよく
働くことができ、成果をあげてくれる
ように力を尽くすことです。
そのためには、良いところも悪い
ところも「納得済み」で入社して
もらうことが欠かせない。
だからこそ、悪いところを、質問
されずとも話すことが重要です。
そうでなければウソつきです。
ウソとは故意に事実とは違うことを
話すことだけをいうのではない。
伝えるべきだと思っていることを
だまっていることもウソをついた
ことになると考えるべきです。
この態度を面接官が採ったときの
罪は重い。