生き残り戦略としての人材採用 Vol.16「数字」


企業や組織が生き残るための

最大の武器は人材である。

 

そうであるならば、その人材を

採用するために積極的な採用活動を

行うことが最大の生き残り戦略で

あることは明白だ。

 

この連載は、生き残り戦略として

人材採用を考える場合にやるべき

ことについて、厳選して書く。

 

第16回

「数字」

です。

 

持ち込み厳禁

 

採用活動にはいかなる数字も

持ち込んではならない。

採用予定人数も、活動費用も、

かける時間も、採用活動に

関わる人数も、制限を求める

ことはしてはならない。

 

なかでも、採用にかける時間と

お金を「惜しむ」ことは厳に

慎まなければならない。

「採用コスト」などという考えは

言語道断というべきだろう。

 

人は重要な資産なのであるから、

その獲得のためには応分の投資を

しなければならない。それを

惜しむようでは、大した資産を

獲得することはできない。

 

採用活動にかける時間もお金も

「投資」以外のなにものでもない。

求めるべきはリターンであり、かかる

時間とお金を最小化することでない。

 

採用する必要がある人数を「目標」

として設定することも、なるべく

避けたほうが良い。

 

その目標数字を採用担当者に課した

とたんに、それがその担当者にとっては

「達成しなければ査定に響く」評価項目

となる。結果として、数字を達成すること

だけしか見えなくなり、質は度外視する

ことになる。

 

経営者でもない採用担当者にとっては、

組織のことよりも自分の査定のほうを

優先して考えても不思議はない。

質が多少劣る人材を採用してでも数字を

達成しないと非難され、評価されない。

一方、会社・組織の力が落ちるような

ことになっても自分の責任にされる

ことなどない。

 

明日のことを考えるのが経営者だが、

そうではな採用担当者は、今この時の

ことを考える。非難され、評価されない

ことを避けようとするのは仕方のない

ことなのではないだろうか?

 

もちろん、そんなこととは関係なく

採用担当者としての職業倫理、良心に

基づいて、自分の評価よりも人材の

質にこだわる採用担当者もいる。

しかしそれはまれなことだ。

 

そうならないために、採用担当者には

いかなる数字も課さないことが必要

なのである。投資活動には失敗も

つきものだし「休むも相場」という

言葉がある。いつも動き続ける

ことだけが能ではない。

 

 


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