採用活動とは、一言で言えば
なんであろうか?
この連載では、一見すると
「どういうことだろう?」
というワードをセレクトして
採用活動をさまざまな角度から
考えていきます。
第3回は
「もはや用済みだ」
です。
協力者探し
これからの人材採用は「採用しよう」
とするとうまくいかない。
なぜなら、採用という形にこだわった
ままでいられる段階はもう過ぎて
いるからだ。
世の中は空前の人手不足。それは
数字にも表れていて、バブル期に
ピークに達した「有効求人倍率」
を上回って推移している。
アルバイトの時給も上昇する一方で、
1,000円以上はザラ。それでも介護、
飲食を始めとしたサービス業では
人は集まらない。
働き手を外国人に頼らざるを得なく
なっているのが現状で、入管法を
改正して国としての対応が必要に
なっている段階まで来ているのだ。
あなたも最近、経験していないだろうか?
飲食業のオペレーションが悪くなかなか
料理が出てこなかったり、ひどいときは
アルバイトの都合がつけられなかったのか
臨時休業になっている店舗があったり。
私も先日立ち寄った飲食店で「お冷」が
三度頼んでも出てこなかった。
隣の席はウーロン茶が同じ目にあっていた。
もはや、人を採用するという発想を
根本から変えていく必要に迫られて
いるのではないか?
いまこそ、企業・組織の「協力者」
を探す、という考え方が重要である。
協力者とは何か?採用もしないのに、
企業や組織のために働いてくれる人を
どうやって確保するのか?
そんなことが可能なのか?
もちろん、必ずしも採用から協力者へと
シフトする必要はない。しかしその場合
でも働く人の気持ちに寄り添った「改革」
は必要だ。
働く人にとって、今はより良い仕事を、
より働きやすい場所を選ぶことが
自由にできる環境である。やりにくい
環境でも我慢などする必要はない。
一部、一般事務職は省力化、外注化、
AI化が進んでいるせいもあって
狭き門になっているが、基本的には
引く手あまたである。
応募するだけでお金がもらえたり、
食事券をもらえるなんていう極端な
例はさておいても、どこにいっても
歓迎してもらえるのだ。
そんな状態にあることを認識し、
企業・組織側から働く人の立場、
気持ち、ニーズに歩み寄ることが
もはや必須である。それでなければ、
「働く場」として選んでもらえない。
人が採用できないのは働く場として
魅力がないばかりでなく、できること
があるのに変わろうとしていないからだ。
「今のままで」働いてくれる人を
採用しようとする考え方は、もはや
用済み。一刻も早く捨て去るべきだ。