採用活動とは、一言で言えば
なんであろうか?
この連載では、一見すると
「どういうことだろう?」
というワードをセレクトして
採用活動をさまざまな角度から
考えていきます。
第8回は
「レベル判定装置だ」
です。
客観的に知る
会社のレベルと人材のレベルとが
大きく隔たっている事はない。
業績を上げている会社には必ず
優秀な人材がいる。
同じことは採用活動にも言える。
応募してくる人材のレベルは、
企業のレベルに応じたものになる。
ロクでもない会社に優秀な人材が
応募してくるような奇跡は起きない。
起きるとすれば恐慌や不景気で、
他に選択肢がない場合だけだ。
現在のような人手不足で、超が
付くほどの売り手市場の状況では
まず考えられない。
人材募集をかけても、ロクでもない
人材しか応募してこないことを嘆き、
採用担当者や求人広告会社の担当者
を責めるのは筋違いだ。
ロクでもないレベルの人材が集まる
ということは、その企業のレベルも
ロクでもないということ。
自分の勤めている会社をロクでもない
と認めることには相当抵抗があり、
多くは認めないだろうと思うが、
外から見ればそのように見えている
ということなのである。
これは言い過ぎたかもしれない。
正確に言えば、企業自体はロクでも
ないわけではないのに、少なくとも、
ロクでもないレベルの企業だという
「印象」を、採用活動において発信
してしまっている、というべきだ。
その典型が、企業の知名度や安定性、
高給や福利厚生の充実を謳うことだ。
それは二の次である。
何を目指しているのかが明確で、
そのためには何が必要かをきちんと
把握していて、採用する人には
何をしてもらいたいのかがはっきり
していること。これがない企業は
「ロクでもない」とレッテルを
貼られる。
優秀な人材は、企業規模や知名度、
勤務条件などのアメにはほとんど
関心を示さない。
優秀な人材は、生活や娯楽のために
お金を稼ぐ「労働」をすることは
求めていない。自分のしたことが
何かに貢献し、役に立ち、後の
世に業績として残るような、
いわゆる「仕事」をしたいと強く
望んでいる。
そのために、あらゆる点で「優秀な」
企業であるかどうかを鋭く観察する。
自分の身を任せるに足る企業かどうか。
労働ではなく仕事ができる企業か
どうか。これらを正確に見極めることを
考えている。
その鋭い視線に耐えることができる
要素が、あなたの会社にあるだろうか?
採用活動は、集まってくる人材の
レベルによって、あなたの会社の今の
レベルを客観的に判定するための、
極めて正確な判断装置なのである。