採用活動とは〇〇だ Vol.15「見た目の排除だ」


採用活動とは、一言で言えば

なんであろうか?

 

この連載では、一見すると

「どういうことだろう?」

というワードをセレクトして

採用活動をさまざまな角度から

考えていきます。

 

第15回は

「見た目の排除だ」

です。

 

「見えること」に惑わされない

 

採用活動において重要なのは

目に見えるものに惑わされない

ことである。

なぜなら、それらは候補者に

よってすべて演出されている

ことだからだ。

 

その可能性に目を向けることなく、

注意することもなく、見えるものを

ただそのまま評価するようなことを

平気でやっているのであれば、

採用担当者をする資格はない。

 

目に見えるものとは、たとえば

以下のようなものだ。

 

〇提出された履歴書・職務経歴書

〇メールや電話で候補者と交わす

 メッセージや会話、

〇面接で語られるエピソード、退職理由

〇挨拶やお辞儀などの立ち居振る舞い

 

これらは事前に準備可能である。

本屋に行けばマニュアル本も売っている。

何冊か買って読み、勉強すれば、本性は

そうでなくてもいくらでも猫をかぶり、

形を整え、豪華に見せることができる。

面接官をだますことが可能である。

 

つまりは演技なのである。演技だから、

練習すれば上手くなる。ある程度まで

でいい。アカデミー賞級の演技力は

必要ないのだから。

 

こうなると、面接はいかに面接官を

上手くなった演技力で騙せるか、

いうことに成り下がる。

 

見た目に惑わされるようなことを、

募集する側が自ら行っていること

さえある。

よく人材募集広告で見かける

「〇〇の経験が△年以上」という

項目である。

 

これほどナンセンスなことはない。

 

何年も同じ業務を繰り返していた

だけで、なにも新しいことを実行

していない、つまらない仕事を

していただけかもしれない

「経験年数」がそれほど重要か?

 

たとえ短い期間しかその業務に

従事していなかったとしても、

新しいことを試み、業務を改善し、

成果をあげたことがあるのなら、

そのことをこそ評価すべきである。

 

経験年数よりも経験値を評価する

目を持たなければならない。

 

人材採用は実に難しい。あくまで

候補者が提出してくる材料をもとに

事前に準備された答えを聞き、

演出された行動による演技を見た

あとで、真贋を判断しなければ

ならないのだから。

 

しかしだからこそ、目に見えない

ものを見通そうとする強い意志が

必要になる、

「難しいがやりがいのある」

仕事なのである。

 


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