人材採用には容易に正解は
出せないものです。
少なくとも採用した時点では
それはわからず、判断には
年単位の時間が必要でしょう。
それはわかっていながら、あえて
人材採用する時点で正解を出すと
したらどんなことが考えられるか
について書いていきます。
第9回は
「ミッション・ポシブル」
です。
期待する成果
人材を採用するのは、なにかの目的が
あってのことだ。大きくは二つ。
「欠員補充」か「人員補充」である。
一文字しか違わないが、その実は
大違いである。
欠員補充の場合、採用する人に期待
されているのは、退職したり異動したり
していなくなった人の「代わり」を
立派に勤めてもらうことだ。それ以上の
ことは必要がない。期待されていない。
つまり、欠員補充として採用された人には
業務の効率化を図る提案を行ったり、
新しい企画を立ち上げようとするなど、
余計なことはしてもらいたくないのである。
黙って、前任者がやっていた業務をすべて、
粛々と、同じ手順で行ってもらいたいだけ
なのだ。
口では「どんどん意見を言ってもらいたい」
とは言うであろう。しかし単なる欠員補充の
ために採用した人に対しての場合には、
それは「リップサービス」でしかない。
まともに受け取って「頑張って」しまうのは
控えたほうがいい。
これに対して「人員補充」の場合には、
採用する人には何らかの達成してほしい
目標があり、出してもらいたい成果がある。
ミッション達成が可能な人材しか採用
されないのであるが、採用する人にこの
ことが正確に伝わっているのかどうかが
問題になる。
問題になるのは、人員補充の場合には、
達成してもらいたいミッションを
はっきりと正確に求人募集に明記する
ことなのである。そのために必要となる
スキルや実績を、採用する側が勝手に
決めて、求人に記載しないことだ。
ミッションを達成する方法は一つでは
ない。山を登るルートが一つだけでは
ないように、1つのミッションを達成
するのにも複数の方法がある。
過去の業績や経歴がいかなるものでも、
ミッション達成が可能であろうという
判断ができるのなら、採用すればいい。
なぜ達成できると思うのかを、候補者
本人に説明してもらい、それが納得
できるものであるかどうか。
それだけを判断すればいい。
ミッション達成にはこれだけの条件が
必要だろうと、採用する側が勝手に
決めることは避けねばならない。
それは思い込みに過ぎないし、視野が
狭い。