人材採用には容易に正解は
出せないものです。
少なくとも採用した時点では
それはわからず、判断には
年単位の時間が必要でしょう。
それはわかっていながら、あえて
人材採用する時点で正解を出すと
したらどんなことが考えられるか
について書いていきます。
第10回は
「学歴のあるほうを」
です。
基礎体力
この種のことを書くと感情的に
なる人がいるのであまり書きたくは
ないのであるが・・・
学歴がある人とない人、どちらを
採用するかと言われたら、私は
迷うことなく学歴があるほうを
採用する。
この手の話には、どんな議論が
交わされることになるか、私は
熟知しているつもりだ。
「若い時の、それも社会に出ても
ほとんど役に立たない知識に
関する試験で何がわかるのか」
「学校を出てから何をしてきた
のかのほうが重要だ」
「学歴よりも人間力だ」
すべて正しいのであろう。
私もそう思うし、学歴があっても
仕事ができない人は山ほどいたし、
その逆の事例もたくさんあった。
学歴があって偏差値は高くても、
人間的な面での偏差値は平均以下、
赤点の人を何人も見てきた。
学歴のあるエリートと言われる人を、
それだけで信用していないのも
間違いない。そういう人ほど、
鼻持ちならない人間が多いという
偏見かもしれない感情も持っている。
しかし、採用担当者として見た場合
には、学歴にはやはり注目せざるを
得ない。同じくらいの実力があり、
人物面でも申し分ない人が二人
いたとしたら、最終的には学歴で
判断するだろう。
その理由は、基礎体力だ。
つまりは、何かを勉強して吸収する力、
一定の期間、集中して取り組むことが
できる力が、学歴がある人のほうが
相対的に強いのだろうという判断だ。
今の社会は変化が激しい。
今日は通用していたスキルや知識が、
明日には陳腐化して使いものに
ならないことが頻繁に起こる。
スキルや知識のアップデートが
日々、必要なのである。
そのためには、机にかじりついて
「勉強」することがある程度は
必要になり、そのための能力が
相対的に高いと考えられるのが
「学歴のある人」なのだと思う。
すべての人がそうだとは言わない。
大学入学試験は一つの「競技」の
ようなもので、向き不向きもある。
それはわかっている。
だが、なにか新しいことを吸収する
ための勉強に対して「基礎体力」が
あるかどうは重要だ。それを図る
ためには学歴が重要な指標になる。