人材採用の「べからず集」Vol.6「説得するべからず」


人材採用で重要なことは、

やるべきことをやることではない。

やってはいけないことをやらない

ことなのです。

 

この連載では、人材採用でやっては

いけないことを「べからず集」として

書いていきます。

 

第6回は

「説得するべからず」

です。

 

説得は罪である

 

人材採用で最もやってはいけない

ことを挙げろと言われれば、私は

迷うことなく「説得すること」だと

答えます。これほどの罪はない、

とさえ思っています。

 

採用担当者の仕事は、候補者にとって

必要な判断材料を提供することだけ。

しかも、誤解のないように、できるだけ

客観的な材料、そして候補者にとって

知りたいと思う情報(企業にとっては

マイナス情報)を提供することです。

 

採用担当者としての「思惑」をそこに

忍ばせてはいけない

その「思惑」とは、採用に至ったら

採用担当者としての評価、人事考課が

有利になるという、そんな計算です。

つまり点数が稼げる、手柄になる

という考えです。

 

採用担当者もサラリーマンです。

課せられた目標があり、目標を

達成できなければ評価が下がる。

そのために、候補者を、入社する

ように「説得」してしまうことは

避けられないことなのかもしれない。

 

しかし、それは罪なのです。

説得してなかば強引に入社させた

として、長続きせず早期退職したら、

その損害は企業にとっても、候補者

本人にとっても大きい。

 

その責任を採用担当者はどう取る

つもりなのでしょう?採用数字が

あがればあとは知らない?早期退職の

理由が、自分にあると誰が言える?

そう考えているとしたら、あまりに

無責任です。

 

説得には、積極的に「口説く」

ことだけを含むのではありません。

候補者に知らせるべき情報が

(主にマイナス情報)あったと

しても、質問されなければ答えない、

教えないということも含みます。

 

職業的良心として、その情報を提供

することが候補者の判断に影響を

与えるであろう情報は、問われなかった

としても提供するのが、採用担当者に

求められます。

 

その結果、候補者が入社をやめてしまう

ことだってあるでしょう。しかし、長い

目で見ればそのほうがお互いのためで

あるという視点が必要です。

短期間で退職する人がいれば、その

部署にも迷惑がかかるし、企業としても

コストがかかるし、候補者本人の経歴

にも傷がつく。なにも良いことはない。

 

採用担当者には、これらのデメリットを

封じ込めるために何をするべきかと

いう視点が強く求められるのです。

 


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