人材採用で重要なことは、
やるべきことをやることではない。
やってはいけないことをやらない
ことなのです。
この連載では、人材採用でやっては
いけないことを「べからず集」として
書いていきます。
第7回は
「インタビューするべからず」
です。
質問があるか?
就職のための面接は、英語で
「ジョブインタビュー」と言います。
インタビューというと、質問する側
(インタビュワー)と質問される側が
はっきり決まっていて、インタビュワーの
力量によって良い答えが引き出せるか
どうかが決まる。そんな印象を受けます。
これと同じで、面接も面接官からの
質問によって進んでいき、面接官の
力量が良い人材を見極められるか
どうかを左右すると思われがちです。
しかし、面接官がインタビュワーに
なってしまうことは極めて危険です。
きちんと履歴書・職務経歴書を
読み込み、質問を考えて面接に
臨んだつもりでも、それがすでに
候補者の術中にすでにはまっている
という事態になっているからです。
なぜなら、面接官が考えた質問は
候補者が作った履歴書・職務経歴書
が元になっているからです。
つまり、どんな質問がくるかという
ことはかなりの割合で候補者が事前に
想定することができるため、用意
された答えが返ってくるだけの
場合が多いのです。
9割がたは面接官からの質問に候補者が
答え、候補者からの質問は一通りの
質問が終わってから最後に行う。
そんなスタイルの面接が非常に多い
ですが、そこから変えていく必要が
あります。
このような、一見すると当たり前の
面接の進め方が本当に良いのか、
疑う目を持たなければなりません。
具体的には、候補者から質問が
できる機会をもっと作ることです。
あなたの会社のことについて、
質問したいことをどんどん質問
してもらうことです。
面接の途中でも全く問題ない。
最後にまとめてではなく、冒頭
から候補者の質問で始めてもいい。
考え方としては、インタビューでは
なくダイアログ(対話)になる
ように面接を組み立てることです。
質問に対する答えから候補者の
ことを判断するだけではなく、
「候補者がどんな質問をするか」
によっても候補者のことを判断する
ほうが、判断材料が多くなる。
訊かれたことにだけ答えればいい
という態度の候補者からは、多くを
得ることはできません。
候補者からの質問をたくさん受け
付ける仕組みを作り、それがどんな
質問だったかにもっと注意を払う
べきです。