人材採用の「べからず集」Vol.10「やりたいこと問うべからず」


人材採用で重要なことは、

やるべきことをやることではない。

やってはいけないことをやらない

ことなのです。

 

この連載では、人材採用でやっては

いけないことを「べからず集」として

書いていきます。

 

第10回は

「やりたいこと問うべからず」

です。

 

成果がでるのか?

 

人は、得意なこととやりたいことが

一致しないことが多い。

得意ではあるが好きではないこと。

得意ではないが好きなこと。

このいずれかであることが多い。

 

これらのうちどちらを仕事にするかは

個人の選択であるが、企業・組織が

働く人に求めることはたったひとつ、

成果である。これ以外にはない。

 

厳しいようだが、働く人が好きな仕事を

していようとそうでなかろうと、成果が

出ているかどうかが企業・組織にとって

死活的に重要だからである。成果に対し

報酬が支払われているのであって、

働いていることそのものに報酬が支払わ

れているのではない。

 

面接でも同じことが言える。つまり、

働く人がやりたいと思っていることに

関心を持つ必要はない。

候補者がやりたいことではなく、

「得意なこと」「成果を出せること」

が何であるのかについて、そして

その根拠について質問するべきである。

 

もちろん、働く人がやりがいをもって、

能力を存分に発揮して働くことができる

環境を用意し、魅力的な職場にすることは

企業・組織の責任だ。しかしそれは、成果が

出ていること、もしくはそうすれば成果が

出ることが期待できることが前提である。

 

成果という視点を持つことなく、働く

人がやりたいことをやることができる

環境を整える義務までは。企業・組織

にはないのである。

 

働く人にとってやりたいことができて

いても、何の成果も出ていないので

あれば、企業・組織にとってそれは

「意味がない仕事」でしかない。

 

趣味でやるならそれでもかまわないが、

それならば個人的に他でやってもらえ

ばいいことだ。

 

退職理由に自分がやりたいことができる

環境がなかったことをあげる候補者が

多くいるが、お門違いもいい所である。

あなたのやりたいことのために環境を

用意することは企業・組織の責任では

ない。

 

採用面接では、やりたいことが何かを

候補者に質問することは控え、できる

こと、成果を出すことができることに

ついて質問することを優先すべきだ。

もちろん、そう考える根拠も併せて

質問し、合理的な説明があるかどうか

についても注目して判断することも

わすれてはならない。

 


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