人材採用の「べからず集」Vol.15「減点法すべからず」


人材採用で重要なことは、

やるべきことをやることではない。

やってはいけないことをやらない

ことなのです。

 

この連載では、人材採用でやっては

いけないことを「べからず集」として

書いていきます。

 

第15回は

「減点法すべからず」

です。

 

弱みに注目しすぎている

 

人材採用において、知らず知らずの

うちに陥っている間違いのひとつに

減点法による評価がある。

 

言い換えると

「強みに注目することなく、

欠点、弱みが少ないほうを

採用したがる」

「おかしなところがなく、問題を

起こしそうでない人を採用する」

ということである。

 

どれだけ優秀であっても、転職を

繰り返していたり、適性検査の

結果が悪かったり、今まで経験

したことのない業務があるなど

減点対象になる点ばかりに注目

して評価する。

 

問題をおこしそうだ。

扱いにくそうだ。

この点がダメだ。などなど、

採用しない理由ばかり探す。

こういう採用方針をとって

いる企業・組織は多いのではない

だろうか。

 

企業・組織にとって必要なことは

成果を出せる人材を採用し、業績を

あげることのはずだ。であるなら、

人の「強み」に注目した採用活動を

すべきで弱みに比べて強みのほうが

魅力があれば採用するべきである。

 

しかし、必ずしもその方向には

いっていない。

成果は出さなくてもいいので、

問題を起こさず、ソツなくやって

くれればそれでいい、と考えて

いるとしか思えない。

 

少々、あさはかな考え方である。

大きな問題がある。

そんな採用活動をしていること

自体が、罪である。

 

問題を起こしそうでないかどうか、

面接したぐらいで判断できるとは

思えない。なぜなら、職場での

問題は、つまることろ人間関係に

起因して起こるからだ。たまたま

の要素が強いのである。

 

前の職場の水が合わなかったか、

人との相性が合わなかっただけ

なのではないだろうか?

 

業績があがっていなかったのも、

活躍の場がなかったので、埋もれて

しまっていたのだけかもしれない。

スポーツの一流選手が、かつて所属

していたチームでは機会に恵まれず

活躍していなかったが、移籍を機に

大活躍をする例は枚挙にいとまがない。

 

候補者の弱み、欠点に注目し、それが

悪いと決めつけ、減点法で評価し、

不採用にする。これがどれだけ多くの

ことを見逃してしまう原因になって

しまっているか。考え直してほしい。

 

減点法で採用するかどうかを決めている

企業・組織は、バッターボックスに立つ

ことを恐れているのだ。三振しないこと

ばかりを考えていては、ホームランも

ヒットも生まれないのである。

 


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